3Dプリンターが小さな玩具だけでなく、臓器や航空機の部品を作成する能力を持つことはすでに知られているが、その効果がどの程度であるかについては、あまり良く知られていない。このほど中国科学技術協会が主催した第42回中国科学技術フォーラムにおいて、国家凝固技術国家重点実験室室長、西北工業大学教授の黄衛東氏は、国産大型旅客機C919の細部を公開した。黄氏は、「3Dプリンターは大型機の部品製造の任務をこなし、かつその効果は伝統的な技術やメーカー側の基準を大幅に上回る」と述べた。中国青年報が伝えた。
黄氏によると、C919向けの3Dプリント技術ではレーザー成形を採用し、中央フランジ部分を加工した。そのサイズは最大で3070mm、最大変形量は0.8mm未満。全体的な力学性能は、メーカーの試験に合格した。材料・構造・部品の性能、大部品の強度はC919の設計面の要求を満たした。耐疲労性を含む総合性能も、伝統的な鋳造技術の効果を上回った。黄氏によると、3Dプリンターで製造された部品の強度一貫性は2%で、メーカー側の5%という技術指標の要求を上回った。
華中科技大学教授の沈其文氏は、「3Dプリント技術は、国防、航空・宇宙、自動車、船舶、電力、鉄道、生物医学などの重点分野における、高級かつ複雑・精密な構造を持つ重要部品の製造の難題に対して、支柱を提供した。これには重要な応用の価値があり、第三次産業革命の推進にとって欠かすことのできない力をもたらす」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年10月22日