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日本の製造業の「危機」が与える警告

人民網日本語版 2015年10月22日08:20

危機の中にあるシャープはリストラと本社ビル売却で生き残りをはかろうとし、連年赤字続きのパナソニックが利益を上げるのは難しく、ソニーは長引く低迷のうちに徐々に市場から遠ざかり、キャノンの四面楚歌の状況は根本的な改善が難しく、日立や東芝もかつて優勢だった消費電子製品の分野で失敗続きで、落日のスター・NECはスマートフォン事業から完全に撤退した……。こうした現象はみられるものの、ここから日本の製造業が衰退した、敗北したという結論を導きだすことはできない。とはいえ、日本の製造業が確かに段階的な困難に直面していることは否めない。中国と日本にはよく似たところがあり、経済の強さと製造業大国としての国際的地位が密接に関連している。「世界の工場」の大きな渦の中にある中国に、日本の製造業の困難を検討し、自身を振り返る必要があることは間違いない。「新華日報」が伝えた。(文:葉雷)

日本の製造業が今のような段階的困難に直面したのはなぜだろうか。日立に16年間勤め、現在は京都大学や東北大学で非常勤講師を務める湯之上隆さんは、著書「日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ」の中で、日本の情報技術(IT)製造業の数十年にわたる栄枯盛衰の歴史を振り返り、日本の製造業から得られる教訓として次の4点を挙げた。1つ目は、10年を一つの周期とする新技術の波に直面して、市場のチャンスに対する敏感さを失い、昔のやり方で古いものを守ろうとし、チャンスを失ったこと。2つ目は、性能と指標を過酷なまでに追求した結果、市場の実際のニーズのレベルを軽視し、必要のないコストを投入し、市場に変化が起きた時に研究開発の中で速やかに製品の調整を行えなかったこと。3つ目は、職人的な精神や技術者の技能に頼りすぎ、製品の標準化と汎用化をおろそかにし、低コストで大量生産する能力が圧倒的に不足していたこと。4つ目は技術の流れの転換に直面して、日本の企業制度はひどく硬直化し、技術変革の流れに対応できなかったことだ。

イノベーションの道は容易なものではない。どうすれば時代とともに歩み、列から脱落しないで済むだろうか。湯之上さんは著書の中で日本の製造業の危機のもう一つの原因に言及して、「先進的な技術に対してこれまで得意としてきたイノベーションを模倣する精神を欠き、反応が鈍い」と指摘しており、これはまさしく中国が自戒すべき点だ。また湯之上さんは、「イノベーションの要素を模様することを改めて重視し、自身の技術の総合的な強みを発揮する」ことを呼びかけており、これもまた中国が同じように重視しなければならない点だ。日本の製造業の興亡史を振り返ると、4つの時期に分けることができる。


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