オンライン店舗とネットショッピング愛好者が狂喜する「ダブル11(独身の日、11月11日)が今年もすぐそこに迫っている。だが、このお祭りの主役は、いつも都会っ子に限られる。広大な農村部では、消費者と生産者にとって最も慣れ親しんでいる取引手段は、やはり「市場に出かける」ことで、ほとんどの集落には、まだ宅配ネットワークが無いのが現状だ。中国放送網が報じた。
「ダブル11」が近づくと、都市ではまるで祝日を迎える雰囲気になるが、一方農村では、ほとんど盛り上がりは見られない。「買いたくないのではない。買っても届けることができない」-これは、河南省南陽市宛城区漢冢郷の村民・劉徳昭さん(35)の本音だ。劉さんは、「ネットショッピングは大変便利だが、宅配ネットワークがこのあたりまで延びていないことが、最大の問題だ」と嘆いた。また、郷政府に勤める張小娜さんは、「郷・鎮のショッピングサイトで買った宅配物でも、自分で引き取りに行かなければならない」と話した。
今のところ、国内の多くの郷・鎮には、一流宅配会社の配達ネットワーク拠点はない。従業員も兼職している。文房具店、飲料店、小型スーパーなどの経営が彼らの本業だ。アリババ傘下の阿里研究院の統計データによると、2016年には、全国農村部のネットショッピング市場規模は4600億元(約8兆9千億円)に達する見込み。だが、某宅配会社の河南省南陽市担当者は、「農村における宅配業務は、まだスタート段階にあり、基本的には、各宅配企業が自分で開発していかなければならない」と指摘した。
このような状況を受け、国務院はこのほど、「宅配業発展の促進に関する国務院の若干意見」を発表した。これによると、2020年までに、各郷での宅配ネットワーク拠点の設置をほぼ完成させ、各村まで宅配ネットワークを拡大、年間取扱件数を500億件、年間営業収入を8千億元(約15兆5千万円)まで増やす。「下層・西部・海外」への宅配拡張プロジェクトを進め、農村部や西部地区における業務ネットワークを改善し、「工業品の農村進出」「農産品の都市進出」という双方向のルートを確立し、下層に向かい農村消費をけん引する方針だ。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年11月10日