スタンダードチャータード銀行グローバル研究部のシニア中国経済専門家の顔色さんはこのほど、「人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケットに採用されるのは確実で、本行は多くの海外の中央銀行や政府系ファンド、多国籍機関から人民元建て資産をめぐる問い合わせを受けている」と述べた。央広網が伝えた。
今月13日、IMFのラガルド専務理事は、「IMF関係者が執行理事会に提出したSDRの審議文書では、人民元は『自由に使用できる』通貨という要求を満たしていると評価し、執行理事会に人民元をSDRバスケットに採用するよう提起した。こうした動きは人民元のSDRバスケット採用が確定したことと広くみなされている」と述べた。
顔色さんは、「人民元がSDRの通貨バスケットに採用されれば、人民元建て資産と人民元レートに対して重大な振興作用があり、最も重要なことは海外の中央銀行、政府系機関、多国籍機関が人民元資産の配分を増やすのが確実だということだ」と指摘した。
また顔色さんは、「一部の海外の中央銀行、政府系ファンドは本行に人民元建て資産に対する見方や今後のレートの動きについて問い合わせたり、人民元建て資産を保有しようと準備を始めたり、人民元建て債券市場にも並々ならぬ関心を寄せたりしている。より多くの海外機関が人民元建て資産を持つようになれば、長期的にみて人民元レートに対する振興作用があることは明らかだ」と述べた。
人民元がSDRに採用されるとレートはどのように変化するだろうか。顔色さんは、「資本の流出傾向が緩和され、中国人民銀行(中央銀行)が外国為替市場に対する一連の干渉を適度に軽減し、年内に人民元レートが小幅に低下する可能性がある。だがSDR採用は長期的にみれば人民元建て資産へのニーズと人民元レートに対して重大な振興作用を発揮し、2016年には人民元が大いに値上がりする可能性がある」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年11月18日