注意しなくてはならないのは、92万元の平均値は33万元の中央値の数倍に当たることだ。ここから中国の世帯資産の分布がアンバランスであり、貧富の差が大きいことがわかる。これぞ「平均値に隠された真相」だ。
李博士は上海市と貴州省の世帯を例に挙げて次のように説明した。「今回の調査データをみると、上海の世帯資産の中央値は172万元(約3317万円)、貴州は33万元だ。172万元は上海の資産水準を代表し、33万元は貴州を代表すると考えると、上海の(富裕な)世帯2つと貴州の(普通の)世帯8つを研究対象として計算した場合、資産の平均値は61万元(約1176万)、中央値は33万元になり、その差は約2倍になる」。
李博士は、「資産の平均値と中央値との開きは、中国の貧富の差を反映するもの。中国には資産額が中産階級の最低水準に達しない成人人口が78.9%おり、貧富の差を縮小するには、貧困世帯への教育投資や資金面でのバックアップを拡大し、移転支出を増やすことが必要だ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年12月3日