北方は餃子、南方は湯円
冬至の日に食べるご馳走はさまざまだ。中国北方地域では餃子を、南方地域では湯円(モチ米粉を練って作った餡入り団子)を食べる習慣があることはよく知られている。
河南省には、冬至の日に餃子を食べて、医学上の功績から医聖と称えられる中国後漢(25-220年)の医師・張仲景を偲ぶ習慣がある。張仲景が故郷に帰った際、雪が降る寒さであるにもかかわらず、服を十分に着ることができず、寒さで耳が冷え切っている人々を見て心を痛めた。そして、弟子に小麦粉を耳のような形に練り、鍋で煮させて、それを人々にふるまった。すると、人々の耳も温まり、よくなった。それから、冬至になると、人々はそれをまねて、耳のような形をした餃子を食べるようになった。「餃子を食べなければ、耳を失う」という言葉もある。
浙江省の人々は冬至の日に、湯円を食べる。「円」は、「団らん」、「円満」を意味する。作り方は、もち米の粉にお湯を混ぜて練り、それを一つずつ団子の形にする。それを煮た後、大豆の粉をまぶす。この過程を、浙江省台州市の方言では、「擂(レイ)」と呼ぶため、冬至の日に食べる湯円は「擂円」と呼ばれている。大豆の粉は、大豆を炒めた後粉にし、黒砂糖を混ぜているため、香りがよく甘い。そのため、もち米で作った柔らかい団子にまぶして食べると、一層食欲をかき立てる。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年12月22日