南極の中山基地が発表した情報によると、中国第32次南極科学観測隊は、南極大陸のクイーン・エリザベス・ランドの大規模な調査を行い、南極の氷床の底部に世界最大の峡谷があることを初めて実地で明らかにした。新華社が伝えた。
任務を担当する中国第32次南極科学観測隊は昨年11月下旬より、新たに配備された中国初の極地用固定翼機「雪鷹601」の使用を開始した。アイスレーダー、重力計、磁力計、レーザー距離計、高精度ディファレンシャルGPSなどの科学調査用の装置によって、クイーン・エリザベス・ランドの大規模かつ系統的な航空科学調査を実施。探査エリアは現在までに86万6000平方キロメートルに拡大されている。
現場の探査データによると、中国人科学者は世界に先駆け、3つの重大な科学発見を実現した。
1つ目の大発見は、南極大陸東部のクイーン・エリザベス・ランドの氷床の底部に存在する、地球最大の渓谷のことだ。アイスレーダーの探査データは、氷床の底部に整った大峡谷があることを示している。この峡谷の長さは1000キロ以上に達し、頂上部分の最大幅は26.5キロ、深さは1500メートル以上に達する。この規模は米国のグランドキャニオンを上回り、現在まで発見されているうち最大の峡谷となった。
2つ目の大発見は、クイーン・エリザベス・ランドで育まれている、南極の底部で最大の融解水域と湿地のことだ。
3つ目の大発見は、クイーン・エリザベス・ランドの氷の深部に見られる、広範な温暖化現象のことだ。これは氷の下にある岩の地熱に、大きな異常があることを示している。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月19日