研究プロジェクト「気象衛星・風雲の赤外線リモートセンシング輝度温度追跡基準の研究」が、このほど専門家の審査に合格した。中国計量科学研究院は2年間の取り組みをへて、中国の気象観測データのトレーサビリティに関する難題を解消し、気象衛星「風雲」の赤外線リモートセンシング・温度測定に正確な「ものさし」を与えた。科技日報が伝えた。
プロジェクト担当者、中国計量科学研究院熱工計量科学研究所の郝小鵬氏は17日、取材に対し、「気象衛星は赤外線リモートセンシング装置によって気象観測を行い、輝度温度値を得る。その測定の正確性は、気象衛星の観測の効果に直接影響する。中国の気象衛星のリモートセンシング輝度温度基準が制定されていなかったことから、衛星の赤外線装置には正確なものさしがなかった。例えばあるモノの長さを知りたい時、ものさしで測定することができる。温度測定装置は、国家基準というものさしがなければ、正確に測定できない」と指摘した。
研究チームが開発した装置は、主に2つに分かれる。まずは正確な温度目盛、すなわち輝度温度標準黒体放射源で、不確定度は摂氏0.015度に達する。次にこのデータを伝える装置で、不確定度は摂氏0.03度。
郝氏は記者に対して、「研究チームは風雲三号04星の赤外線・高スペクトル装置の実験室で、高精度真空黒体放射源を作り出し、同プロジェクトの成果を利用し国家光度温度標準から風雲衛星へのデータ伝送を実現した。この新型風雲衛星は年末に打ち上げられる」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月19日