業界関係者の間では、中国の外資は直接投資が中心であるため、簡単に流出することはないという見方が一般的だ。国家外貨管理局は「他国の対外負債が主に短期株と債券投資であるのとは異なり、中国は対中直接投資を主としており、経営の長期化、高い安定性といった特徴を持つ。『撤退したいと思ったらすぐに撤退する』ことはありえない。このような対外資産の負債構造により、中国の対外経済は安定しており、また大きな衝撃に耐える力も備えている」と語る。
▽外資系企業も中国でモデルチェンジ・アップグレードに直面
確かに、一部の外資が中国から撤退したことは否定できない。専門家は「これは中国の経済構造の調整と直接的な関係がある。中国の人件費の高騰に伴い、一部のローエンド製造業の外資企業は経営戦略を調整せざるを得なくなり、コストがより安い国への転向を余儀なくされた。しかし一方で、サービス業やハイエンド製造業などでは、外資が中国参入のスピードを速めている」と指摘する。
中国経済の発展に伴い、外資系企業も国内企業と同じく、経済のモデルチェンジ・アップグレードがもたらす新たな挑戦に直面しなければならなくなった。「中国で儲けるのは簡単ではない」のは、中国企業も外資系企業も同じだ。どこもモデルチェンジ・アップグレード、革新の問題に直面している。高虎城部長は「中国東部の外資系を含む一部の労働集約型企業は今、徐々に中西部や周辺国家へと移動している。これは市場が資源配置において決定的役割を果たした結果であり、正常な現象だ」と語る。
実際のところ、外資系企業は中国経済の新常態に適応するため、積極的に発展戦略を調整している。外資産業チェーンは今まさにローエンドからミドル・ハイエンドへの上昇段階にある。統計によると、中国のサービス業の外資導入額が占める割合は2001年には24%だったが2015年には61.1%に達した。製造業の新規外資導入規模と割合は低下し続けているが、構造は改善されつつあり、ハイテク製造業の外資導入の割合が4分の1に近づいている。