「私に関して言えば、ネットワークは非常に便利であり、すでに半分はネットの中に住んでしまっていると言っても過言ではない」とする岩井監督は、前作のアニメ映画「花とアリス殺人事件」を制作する際、ネットを通じて世界各地から120名のイラストレーターを募集した。いずれも面識がなかったものの、同じようにコミュニケーションをとり、順調に仕事をすることができたという。
しかし岩井監督は現在のネットに対しては、あらゆる商品をネットを通じて購入できるだけでなく、各種サービスもネットで解決することができるので「便利すぎる」と率直な意見を述べた。
さらに「ネット社会が我々に与える影響を問題にしたいのではなく、ネット社会における人間と人間の関係の脆さや微妙な関係を描きたかった。このような関係は伝統的な社会の中でもずっと存在してきたもので、文明の発展に伴い、進化してきている」と語った。
「リップヴァン ウィンクルの花嫁」は5年前の東日本大地震からアイデアを得ているという。この災害で岩井監督は人の生死の無常を深く考えるようになり、4年半の歳月をかけて本作品を完成させた。