「文化財の医師」たちの普段の姿に迫る
同番組で、時計を修復する職人・王津さんが中国のSNSで大きな話題となっている。
ネットユーザーの間で特に話題となっているのが、王さんが後ろで手を組んで、人ごみの中に立ち、ケースの中に入った修復して数カ月の時計を見ながら、「心が痛む」と話すシーンだ。
誇れるはずの修復成果も、展示されている時の静止状態を保つことしかできない。同番組で修復が完成した時の感動のシーンが映し出されなければ、あのドキドキも王さんしか感じることができない。
文化財の修復は、とても細かい作業を静かに続けなければならない大変な仕事で、伝統の手工芸と同じく後継者が少ないという問題を抱えている。例えば、故宮の科学技術部の百宝鑲嵌グループ、漆器グループ、織繡グループなどは、後継者が見つかっていない。そのため、同部は近年、修復作業を継承できるよう、多くの1980-90年代生まれの若手を採用している。若い力が入ることで、雰囲気も大きく変わる。
文化財の「医師」たちの普段の姿に迫ることで、視聴者は親しみを感じ、同番組の成功につながった。同番組の監督が話すように、職人の文化財修復は、多くの人が想像するような緊張感に満ちたものではなく、さわやかな雰囲気に満ちている。そして、職人たちの言葉や行動に、中国で数千年にわたって伝わってきた匠の精神を感じ取ることができる。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年3月24日