ネットユーザーが投稿した「紫禁城」の塗り絵。
2015年、英国の大人の塗り絵ブック「ひみつの花園」が各オンライン書店などで売上トップとなり、「大人の塗り絵」ブームが巻き起こった。 しかし、今年に入り、その勢いは衰えたようで、新作の塗り絵ブックは20作品にも満たない。それでも、中国では、盲目的に塗り絵ブックを追いかけるのではなく、中国の伝統文化から着想を得て、中国の「ひみつの花園」を探す注目の文化現象が形成されつつある。北京日報が報じた。
敦煌の壁画と塗り絵ブックのコラボ
敦煌文化と塗り絵ブックのコラボが、今年の図書界の目玉となるかもしれない。現在、出版社数社が関連の図書の出版を計画している。
「一帯一路画敦煌」と題する塗り絵ブックシリーズが今年4月に出版される計画。同シリーズは計3冊で、左側のページは壁画の原図、右側のページはそれの塗り絵になっている。昨年8月、本の企画者陳勇氏は、子供を連れて甘粛省敦煌市に旅行に行き、敦煌文化を研究する専門家の説明を聞き、圧倒された。そして、「敦煌の壁画も、まず輪郭を描き、それから色を塗ったのではないか?敦煌の壁画を塗り絵ブックにすれば、大きな優位性があるに違いない。それに、他の塗り絵ブックはストレス解消のためだが、敦煌の塗り絵ブックは文化」と考えた。
敦煌研究院の王旭東・院長も、このアイデアに賛同し、「中国人でも、敦煌の壁画の意味が分からないのなら、文化財の業務にあたる人が敦煌の壁画を保存しても、あまり価値はない。敦煌の壁画は民間のものだから、民間に戻し、一般市民の生活に溶け込んでこそ、長く生き延びることができる」と語る。