BBCのドキュメンタリー「Chinese New Year(中国の新年)」を観て意外に思った中国人は多かっただろう。
BBCのドキュメンタリーと聞いて中国人が思い浮かべる言葉は2つ、「精緻」と「偏見」だ。「Secrets of China」「How China Fooled The World」「The Chinese Are Coming」など、いずれも客観的な手法に見えて、偏見ないし歪曲した事実を盛り込み、放送の度に大きな議論を呼んできた。そのため、BBCがまた中国をテーマにしたドキュメンタリーを制作したと聞くと、「今度はどうやって泥を塗るつもりだ」と身構えてしまう中国人が少なくない。
しかし、今回発表された「Chinese New Year」は、確かに我々の目を輝かせるものであった。工業レベルの氷祭り、千年続く「打樹花」、群衆の頭が揺れ動く縁日・・・。中国で最も伝統ある最も盛大な祝祭日「春節(旧正月)」、目まぐるしく変化する都市、秩序よく展開される春運(春節の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)、温かく、客をもてなすのが好きな人々、そして北京市内の青い空。外国人のカメラには、慣れ親しんだ、それでいて新鮮な、美しく親しみある中国が映っている。中国の特色あるお菓子「辣条」までがカメラに登場し、「中国で最も人気のある駄菓子の一つ」と紹介されている。ネット民の言葉で言うならば、「司会者は誠意と情熱に溢れた食いしん坊で、中国と春節を称賛している」のだ。
西側メディアの一貫した色眼鏡スタイルに慣れてしまうと、このような画風の逆転にはいくらか違和感さえ覚えるが、これについては英テレビプロデューサーのレベッカ・ドープス氏は「中国はそれだけ重要な国であり、西側が中国を理解すべき時が来たからだ」という答えを出した。
果たして中国はどれほど重要なのか。その英国人が手にする「辣条」を例に挙げると、年間の生産高はプレミアリーグの年収の2倍に当たる500億元(約8700億円)を超える。取るに足らないように思える「辣条」だが、塵も積もれば山となるという意味で、そは中国の経済社会発展の縮図なのだ。実際、2015年の中国経済の世界経済成長に対する貢献率は25.8%に及び、米国を超えている。