南京大虐殺の生存者である岑洪桂さん、伍秀英さんと言葉を交わす松岡環さん
「今も存命している生存者はもう何人もいない。だから訪問するスピードを上げていかないと、彼らが亡くなってしまったら、何も無くなってしまう」とペイントイベントに向かう道すがら松岡さんはこう繰り返した。彼女が接触したことが無かった生存者の伍秀英さんもペイントイベントに参加することを知ると、松岡さんは異常なほど興奮して「伍秀英さん?伍秀英さんにはまだ会ったことが無い。是非会わなければ!」と言った。
松岡さんは記念館の彫塑広場に到着すると、生存者の岑洪桂さんと伍秀英さんはすでに到着していた。松岡さんが到着すると岑さんはすぐに前に進み出て、二人は手を握り締めあい、挨拶を交わした。
「以前からある日本人女性が私たちのために声を上げてくれていると聞いたことがある」と初対面にもかかわらず、まるで古くからの知り合いのような表情を見せて伍さんは語った。「どこに住んでいるの?会いに行きたい」という松岡さんが言い終わるないなや、伍さんは自分の住所を告げ、どの路線のバスに乗ったらたどり着くかなどの情報を残らず松岡さんに伝えた。松岡さんは聞きながらうなずき、「数日したら会いに行く」と伍さんに答えた。
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