また最近の事例をみると、14年11月にEPAと米司法省が、燃費性能を実際よりもよく見せかけているとして、現代自動車グループの「現代」と「起亜」の両ブランド車に民事責任の賠償金として1億ドル(1ドルは約107.0円)を科すとともに、監督管理の与信限度額2億ドルを撤廃した。このケースは当時、燃費偽装問題としては、米国政府が科した最高額の罰金額とされた。また両ブランドは内部のガバナンスに5千万ドルを投入するよう求められた。ともに米国で有名なブランドだ。
15年9月には、BMWの「X3」のディーゼル車が排ガステストで基準値を超過していたことが明らかになった。ADACドイツ自動車ドライバー協会の行ったテストでは、VWだけでなく、ルノー、日産、現代、シトローエン、フィアット、ボルボ、フォードなど複数のメーカーのディーゼル車も排ガスが基準値を超過していることがわかった。ドイツ連邦陸運局(KBA)がこのほどドイツのディーゼル車に対して行った排ガステストでは、VWグループがディーゼル車に違法ソフトを搭載した唯一のメーカーであるとの結論が出た。
メディアが伝えるドイツ連邦交通省(BmV)のアレクサンダー・ドブリント大臣の話によると、「ドイツ当局が各種車種の排出量テストを審査する過程で、自動車メーカーがその他の技術を利用してエンジンの性能を『引き上げ』ていること、排ガスの排出量を増やしていることがわかった。大手メーカーにはVW、アウディ、ポルシェ、オペルなどが含まれ、63万台のリコールに同意している。リコール対象車両の排ガス排出システムはいずれも基準を満たしていない。こうした問題は偶然に起きたものとは考えられない」という。
名誉とイメージを挽回するため、問題を起こした企業は例外なく巨額の賠償金を支払う道を選択し、和解にはたどり着いたが、イメージの回復に至る道はおそらく長い長いものになるとみられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月4日