日本の作曲家・シンセサイザーアーティストの冨田勲さんが5日、慢性心不全のため、東京都内の病院で亡くなった。84歳だった。
東京都出身の冨田さんは慶応義塾大学在学中から作曲を始めている。古典的な名曲をシンセサイザーによって現代的な解釈を加えて発表するという活動を中心にし、シンセサイザーを導入した音楽の第一人者だった。冨田さんは、西洋のオーケストラや人の声、シンセサイザー、日本の伝統楽器を融合させた壮大な音楽を手掛け、ミステリアスで幻想的な世界を作り出して、多くの人を魅了してきた。
昨年、冨田さんは中国で初めてコンサートを開催した。冨田さんは幼少の頃に中国で暮らした時期があり、北京市内の天壇公園にある回音壁で不思議な音の響きを体験したことが、その後音楽活動に携わるきっかけともなったという。
長男の冨田勝氏は「父は(新作)ドクター・コッペリウスを完成させたいという並々ならぬ強い思いを持っていて、倒れる一時間前までも楽しそうにそのイベントの打ち合わせをしていました。父の作品と志は、亡くなることはありません。これからも冨田勲をどうぞよろしくお願い致します」とのコメントを出した。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年5月9日