中国伝媒大学4年生の木本隆さんは、2014年からこの活動に参加するようになり、翌15年に11代代表に選出され、今年スタッフという立場で初めて希望小学校訪問活動に参加した。「様々な日中交流団体があるが、その多くは日本に興味のある中国人と交流するというもの。一方で『Pia-Smile』は、日本のことを知らず、しかも日本に対して良いイメージを持たない農村の子供たちと交流する。子供たちが自分の目で日本人を見て、接し、日本を理解し、それまでのイメージを払拭できれば、本当の意味で日中友好に繋がると思う」とこの団体に対する魅力を語る。今回の活動では、木本さんは参加者30人ほどを引き連れ、河北省灤平(ルワンピン)県の農村地域に位置する希望小学校を訪問、全校生徒の盛大な歓迎セレモニーに始まり、授業見学、大縄跳びやボール運びリレーといった内容の小さな運動会、折り紙や日本の伝統的なおもちゃの紹介、日中文化クイズ、日本の子供たちの学校生活の紹介など、2日間で充実した交流活動を展開し、最後は木本さんが「一番感動する瞬間」だという中国の名曲『朋友』の大合唱で締め括った。「子供たちがいつも本気で歌ってくれるのが嬉しく、一番印象に残る」と木本さん。
木本隆さん(左)と李亜東校長
彼らの活動は、受け入れ側である各学校も高く評価している。今回訪問した河北省灤平県澇窪(ラオワ)郷中心校の李亜東(リ・ヤードン)校長は、「活動を通じ、子供たちは日本の学校生活や日本に対する基本的な知識が得られた。これを機に、子供たちの心に種が蒔かれ、いつの日か山を越え国を越えて、経済や外交分野で国際的に活躍する人材に育って欲しい。そして今後もこの活動が続いてくれることを願う」と彼らの活動に期待を寄せる。