「日本人と中国人、見た目は同じだった。言葉は違うけど一緒に遊べてとても楽しかった。ありがとう。」
日本人留学生を誰よりも歓迎し喜ぶのは活動の主役である子供たちだ。「僕はこのだるま落としが好き」「僕はこまが好き。難しいけど回るとすごく楽しい」「僕はこのウルトラマンのお面が好き。ウルトラマンに変身したような気分になれる」。初めて見る日本人、初めて見る日本のおもちゃにゲーム、初めて聞く日本人の「奇妙な中国語」…。目に映るもの、耳に入るものすべてが新鮮で、子供たちが心から楽しむ様子がカメラを通じて伝わってくる。事前の打ち合わせから学校側との交渉、中国の子供たちとの交流内容の決定、参加者への事前研修、活動当日の進行まで、異国の地で留学生として暮らす木本さんや他の実行メンバーにとって決して楽な活動ではないだろう。彼らが活動の原動力としているものは、最後のアンケートで子供たちが自ら書いてくれる留学生たちへのメッセージだ。「『また来てほしい』『日本のお兄ちゃんお姉ちゃんと遊べて楽しかった』『いつか日本に留学に行きたい』といったコメントを見るたびに、活動を続けてきてよかったと思える」と木本さんらスタッフは口を揃える。
活動に参加するのは日本人ばかりではない。活動の趣旨に賛同し、中日友好の芽を育もうと多くの中国人学生も参加してきた。一参加者として、後に代表も務めた蘇軍さん(北京語言大学卒)は、4年来の活動経験を振り、「活動の最大の価値は最も純粋な喜びを得られるということ。中国人と日本人が互いを理解する上では、そのルートや方法が非常に重要で、農村地域で暮らす子供たちは日頃外国人と接する機会はなく、日本人に対するイメージはテレビや新聞など限られた媒体を介して見聞きする情報によって形成されている。日本人の側も、中国の農村地域を訪れる機会は少なく、互いに少しずれたイメージを持っていることがある。こうした訪問を通じて互いに触れ合うことで、情報の不均衡を打ち破り、より客観的に相手を理解することができるようになる。これこそが活動の核心的価値だ」と活動の意義を語った。