中国の姿勢表明は2つの重要なメッセージを伝えた。第1に、中国は中比関係の発展を重視している。中国にとってフィリピンは隣人であり、近年力を入れている周辺外交活動の対象国の1つだ。中国はフィリピン大統領選を「注視」し、両国関係の将来に着眼している。両国民間には伝統的友情があり、フィリピン政府はこの土台をほしいままに破壊するのではなく、大切にするべきだと中国は強調する。第2に、フィリピンは南中国海政策を調整するべきだ。両国関係が近年深刻な困難に直面した主たる原因は、南中国海問題におけるフィリピンの誤った立場とやり方にあると中国は明確に指摘する。中国はフィリピンの新政権が積極的に行動し、的確な措置を講じて溝を適切に処理できる機会を双方が得られるようにすることを望んでいる。
ドゥテルテ氏にとって、中国との良好な関係の維持は国益に資する。近年、フィリピン経済は比較的速い成長を維持しているが、国内の発展におけるいくつかの根深い難題はうまく解決されておらず、高い貧困率などに対する民衆の不満がつのっている。ドゥテルテ氏は以前、中国の支援によるインフラ整備を提案した。これはまさに中国の近年の対外協力の重点だ。したがって、両国協力には大きな潜在力があり、中国の急速な経済発展に相乗りすることはフィリピン国民の利益になる。
誠意をもって接し、小異を残して大同につけば、解決できない争いはない。同じ方向に向かい、行動して初めて、中比関係は健全な発展の道に戻ることができる。フィリピンの新政権が発足後、対外政策において大局に着眼し、古きを廃して新しきを確立すれば、フィリピンの発展に良好な雰囲気を醸成し、中比関係が健全な道に戻るチャンスをもたらし、地域の長期的発展への貢献となる。フィリピンの新政権が正しい選択をすることを希望する。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月12日