中国全土で「二人っ子政策」の実施が始まって約5ヶ月が経った。現在、27省が計画出産条例の改正を行い、妊婦がこれまでより長い育児休暇を取れるようになった省もある。しかし、「二人っ子政策」の実施により、出産ラッシュとなり、母子の安全保障が新たな課題となっている。では、中国の母親たちは現在、何を心配しているのだろう?中国新聞網が報じた。
産婦人科の入院は予約でいっぱい 不足するベッド数
産婦人科のベッド数が不足しているというのが、北京の多くの病院の現状だ。首都医科大学付属北京朝陽病院を取材すると、2016年12月30日までの産婦人科のベッドは予約でいっぱいで、現時点では2017年のベッドしか予約することができないという。同科の張看護師によると、今年に入り、出産する女性の数が明らかに増加しているものの、ベッド数は計50床しかないという。
受付で、「17年1月の予約を入れておけば、100%入院できるのか?」と聞いてみると、「今予約しておいても、出産予定日に、別の人が早産で入院しなければならなくなってしまった場合、廊下に寝てもらうことになる可能性が高い」との答えが返ってきた。
母子の安全は女性と子供たちの健康における前提であり、基礎となるものである。中国国家衛生・計画出産委員会の統計によると、15年、中国全土の妊婦の死亡率、乳児の死亡率、新生児の死亡率は10万分の20.1、8.1‰、5.3‰となっており、00年比で、62.1%、74.8%、76.8%減少している。しかし、「二人っ子政策」の実施により、母子の安全を守ることが新たな挑戦となっている。