華南農業大学の蒋剛彪教授の研究チームは、真菌症の治療に使われるボリコナゾールを長期的かつ効果的に溶かすコンタクトレンズを開発し、真菌性角膜炎に対する低副作用の角膜局部施薬を実現した。研究内容はこのほど、アメリカ化学会の「ACS Nano」に掲載された。中国科学報が伝えた。
同チームは天然高分子キトサン第4級アンモニウム塩誘導体を膜の材料とし、カルボキシル化グラフェンを混ぜることで力学的性能と柔軟性を高め、さらにナノ銀を混ぜることで透明性の高いコンタクトレンズを作成した。グラフェンがベンゼン系薬物に付着しやすいという特徴を利用し、溶けにくいボリコナゾールをカルボキシル化グラフェンに含ませることにより、ボリコナゾールの真菌抑制能力と、第4級アンモニウム塩、ナノ銀の広域抗菌機能を高め、最終的に真菌性角膜炎に対して特効性を持つ薬物ナノ施薬システムを形成し、臨床上の普遍的な難題を解決した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月16日