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北京で暮らすバレエ講師・竹田舞子「バレエの喜びを子供たちに」  (3)

J-Ballet Studio講師 竹田舞子

人民網日本語版 2016年06月30日11:09

子供たちの発表会にて

そんな難しいバレエの技を身につけるべく、多くの子供たちが目標の一つに掲げているのが、2年に一度北京市内の劇場で行われる発表会だ。竹田さんが学生時代ステージに立っていた頃と同じように、小さな子供たちにとってはワクワクドキドキの「お楽しみ行事」かもしれないが、今では指導する側となった竹田さんにとっては息つく間もない多忙な一日。朝9時前には劇場に到着し、メイクルームをクラス毎に分けて張り紙をし、衣装や道具を搬入、その後お昼にかけて止めどなく120人超の可愛いバレリーナたちが年齢の大きい子から順に舞台裏に流れ込み、保護者ボランティアの協力を得ながら着替えやメイクを進めていく。この間メイクの仕方や髪飾りのつけ方など竹田さんとの様々な確認のやり取りが途絶えることはない。舞台経験のない子供がほとんどのため、竹田さんは昼食を摂る間もなく午後のリハーサル指導へと移り、十数クラスを次々と捌く。5月22日に行われた発表会当日は、15時の開演ギリギリまでリハーサルが行われ、本番が始まると「いつも必ず起きる」というハプニングに対処しながら、2時間がバタバタと瞬く間に過ぎていく。発表会が終わると喜びも束の間、120人のバレリーナの安全な退場に気を配り、子供たちが帰った後も劇場の撤収作業に追われる。

教室の清掃といった日常の雑務に加え、子供の体型が一人一人違うため、発表会前にはレッスン後から深夜にかけて連日衣装直しも親子二人で行っている。髪飾りや手に持つ花輪といった小道具も、相応しいものが売っていないことが多く、ほとんど母親が手作りで製作している。ゴールなきマラソンレースのようにひたすら走り続ける二人だが、竹田さんの母親は「風邪を引いている暇もない。お陰で身体が丈夫になった」と笑って苦労を吹き飛ばす。

ここまで苦労してでもバレエ講師を続けられる原動力とは何なのか。この問いに対し竹田さんは、「まだ幼稚園に通うヨチヨチ歩きのバレエから始め、他にもバレエ教室が増えていく中、辞めずに通い続けて少しずつ成長し、トウシューズを履いて踊れるようになって巣立っていく子がたくさんいる。子供たちのそうした成長の姿が、私たちの続けようという励みになっている」と語る。

実は竹田さんが子供たちへのバレエの指導に熱心な理由がもう一つある。英国留学中、足の小指の骨を折り、自身はもうトウシューズを履けなくなってしまい、その時から講師としてバレエの魅力を伝え続けていこうと決心していた。「舞台に立つ夢はもう諦めたが、自分が習ってきたバレエの知識や経験を、今度は講師として一人でも多くの子供たちの教育に役立てていきたい。この教室は続けられる限り開き続け、バレエを広く知ってもらえるよう頑張りたい」と笑顔で意気込みを語った。(文:岩崎元地)

「人民網日本語版」2016年6月30日


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