中国科学技術発展戦略研究院は29日、「国家イノベーション指数報告書2015」を正式に発表した。同報告書によると、世界イノベーション構造はほぼ安定しており、欧米と日本が世界のイノベーションをけん引している。中国は依然として「二番手」だが、イノベーション指数の総合ランキングで2014年の19位から18位に浮上し、イノベーション型国家との差をさらに一歩縮めた。光明日報が伝えた。
中国科学技術発展戦略研究院の武夷山副院長は、「同報告書はイノベーション資源、知的創造、企業のイノベーション、イノベーションの効果と環境という5つの基準によって、国家イノベーション指数の指標をなし、科学技術イノベーション活動の活発な40カ国を研究対象としている。この40カ国のR&D(研究開発)経費は、世界全体の97%以上を占める」と説明した。
同報告書によると、欧米と日本が世界のイノベーションをけん引する構造がほぼ安定化している。トップ10は、米国、日本、スイス、韓国、デンマーク、ドイツ、スウェーデン、英国、オランダ、シンガポールの順となっている。中国の順位は豪州を抜き世界18位に浮上し、国家第12次五カ年計画科学技術計画が打ち出した発展目標を期限通りに実現した。中国のイノベーション能力は同じ経済発展水準の国を大きく上回っている。
また同報告書は、中国の国家イノベーション指数のサブ指標が全体的に上昇したが、イノベーション環境の改善が待たれると指摘。なぜなら5つの1級指標のうち、中国のイノベーション資源、知的創造、企業のイノベーションの順位はいずれも上昇したが、イノベーションの効果は前年と変わらず、イノベーション環境の順位は下降しているためだ。
武氏は国家イノベーション指数の過去の結果を分析すると、40カ国を3つのグループに分けることができるとした。上位15カ国は先頭グループで、世界が認めるイノベーション型国家だ。16−30位は2番手で、主に先進国と一部の新興エコノミーとなっている。30位以下は3番手で、発展途上国が中心。3番手の順位は安定しており、上位グループとの差を縮めることは難しいのが現状だ。
しかし武氏は、「2000年の38位から2016年の18位へと、中国の国家イノベーション指数ランキングは上昇を続けている。中国と17位のアイルランドの差は、わずか0.01ポイントのみだ。先頭グループとの差も縮まっており、見通しは明るい」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月30日
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