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子宮がん予防ワクチン、中国進出が10年遅れた理由

【中日対訳】 

人民網日本語版 2016年07月20日08:10

グラクソ・スミスクライン(GSK)は18日、サーバリックス(ヒトパピローマウイルス予防ワクチン「16型」「18型」)が、中国の国家食品薬品監督管理総局から批准を得て、中国で初めて許可されたヒトパピローマウイルス(HPV)予防ワクチンになったと発表した。同ワクチンは来年の年初に正式に流通する見通しだ。中国青年報が伝えた。

GSKは2008年より、中国で6000人以上の被験者による6年間の大規模な研究を、接種組と比較対照組に分けて行った。その結果、サーバリックスは子宮がんとHPVに関連する子宮頸疾患に対して高い保護効力を持つことが分かった。70%の子宮がんに対して予防効果を持つという、世界の臨床研究のデータと一致する結果となった。

今回流通するワクチンは2種類のウイルスのみに効果があり、9歳から25歳の女性に適用される。ワクチンは3回接種で、B型肝炎のワクチン接種に似ている。1回目と2回目の間隔は1ヶ月、2回目と3回目の間隔は5ヶ月で、3回の接種に約半年の期間を要する。結婚、出産、性行為の経験のある女性もワクチン接種を受けることができるが、性行為前の接種が最も効果的だ。

子宮がんは中国の15歳から44歳の女性が2番目にかかりやすいがんで、毎年約13万人が新たに罹患している。中国人の子宮がん患者は毎年、世界の28%以上を占める。世界初のHPVワクチンは2006年、優先的な審査・批准により米国で発売され、現在ではすでに、160以上の国と地域で販売されているが、中国大陸部の女性はこれまで、香港地区や他国に行かなければ接種を受けられなかった。それではHPVワクチンの中国流通が10年遅れた理由は何だろうか?

業界関係者によると、その最大の原因は安全性だ。国家食品薬品監督管理総局のHPVワクチンの有効性に対する評価の最終指標は、がんの罹患もしくは子宮上皮内の2級以上の変異だ。この指標によりワクチンががんを予防する、もしくはがんを遮る力を持つことが証明されるが、この病気による変化を確かめるには10年待つ必要がある。

サーバリックスの流通が認められたのは、国家食品薬品監督管理総局が世界保健機関(WHO)と専門家の意見を受け、子宮がんの評価基準を変えたためと見られる。WHOは2014年4月に「HPV予防ワクチン試験の主要最終専門家チーム報告書」を発表し、「子宮もしくは肛門内で6ヶ月以上に渡りHPV感染が続く場合、臨床試験の代替最終指標によりワクチンの有効性を評価することを提案する」とした。この意見を採用すれば、臨床試験の観察期間は2、3年短縮される。(編集YF)

「人民網日本語版」2016年7月20日

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