▽家電 東芝は業績不振を不正でごまかし
歴代3人の社長がかかわり、8年間にわたる不正会計。これは140年の歴史をもつブランド企業のやることとは思えない。だが東芝グループは実際に、15年に世界の製造業を震撼させるスキャンダルを起こした。
日本の家電産業は自動車産業とともに、かつては日本経済を牽引し、日本が第二次世界大戦後の苦境から抜けだし、世界の経済強国の仲間入りへと後押しした。だが中国や韓国などの国・地域で家電産業が発展すると、日本メーカーの世界シェアは次々に奪われ、業績も低下した。さらに投資戦略や発展構想の選択の過ちもあり、日本の家電メーカーはかつての矜持を保つことが難しくなったのだ。
第三者委員会が昨年7月に発表した報告書によると、14年3月までの5年間に、東芝は1518億円に上る不正な会計処理を行った。スキャンダルにより、14年度の純損失は378億円に達した。
東芝は重大な財務スキャンダルを起こした唯一の日本メーカーではない。東芝の事件発生の4年前には、医療機器・デジタルカメラメーカーのオリンパスの粉飾決算が明らかになり、オリンパスの信用は地に落ちた。オリンパスは11年末、過去20年間にわたり裏帳簿を使って投資の損失を隠し、総額は13億ドル(1ドルは約104.4円)に上ることを明らかにした。
専門家は東芝のケースについて、「取締役会が馴れ合いになり、監査や監督の役割を発揮することが難しくなり、権力が過度に集中して個人による企業の操作コントロールが容易になったため」と説明する。
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