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外国人はなぜ突然中国のSF小説が好きに?

人民網日本語版 2016年08月24日08:11

中国の80後(1980年代生まれ)の女性作家・■景芳(■は赤へんにおおざと)さんの中編小説「Folding Beijing」がこのほど、世界SF協会のヒューゴー賞中短篇小説部門を受賞した。中国のSF作家が同賞を受賞するのはこれで2回目だ。中国のSF小説がこれにより、国際的に認められ知名度を上げている。科技日報が報じた。

昨年は、60後(1960年代生まれ)の男性作家・劉慈欣さんの「三体」がヒューゴー賞長編小説部門を受賞した。それからわずか1年で、今度は80後の女性作家が中編小説で同賞を受賞し、「中国のSFが世界の文学界で名を馳せている」との声が上がっている。

ソフトSF小説の「Folding Beijing」、SF世界に現実世界の痕跡

■さんの「Folding Beijing」は、厳密に言うと「ソフトSF小説」だ。都市社会の発展におけるある種の可能性に言及し、未来への警告ともなっている。物語の多くは、彼女の日常生活を基にし、現実世界の人の悲しみやあたたかさを描いている。

SF界の新星である彼女は、2006年に小説を書き始めた。「現実世界の痕跡があるSF小説というのが、普通のSF小説との違い」というのが、ファンらの■さんに対する評価だ。

中国のSF小説が外国の読者が中国を理解する新たな「カギ」に

■さんがヒューゴー賞を受賞したその日、太平洋西岸の上海で開催されたブックフェアで、「三体」シリーズ3作の英語版の出版が発表された。また、約1千人のファンが劉さんのサインを求め、会場で長蛇の列を作った。

十年以上に渡って「三体」シリーズを連載してきた中国のSF雑誌「科幻世界」の姚海軍副編集長は、「昨年、『三体』がヒューゴー賞を受賞し、世界のSF界において、中国文化や中国のSF小説が存在感を増すようになったと感じている。これは、中国経済の発展とある程度関係がある」との見方を示す。

「三体」シリーズ第一作の英語版は、2014年11月11日に発売され、16年6月末の時点で、発行部数が累計16万冊以上となっている。「ニューヨークタイムズ」や「ウォール・ストリート・ジャーナル」など、西洋の主流メディアも同作品を紹介し、高い評価を下している。

外国人がなぜ突然中国のSF小説が好きになったのかについて、劉さんは、「SF文学は現在、海外の人々が中国を理解するための新たな『カギ』となっており、そうなるべき存在である。」との見方を示した。

さらに姚副編集長は、「『三体』を通して、米国の一部の読者は、中国の『謎を解く』かのごとく、中国の未来予想図を描こうとしている」と話している。(編集KN)

「人民網日本語版」2016年8月24日

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