日本の推理小説は漫画と同様、日本の大衆文化として欠かすことのできない要素の一つである。日本の推理作家はその数の上でも多く、映画化やドラマ化されることが毎年最大のトレンドのようになっている。ここ数年を見てみても「ソロモンの偽証 前・後編」と「私の男」はいずれも雑誌「キネマ旬報」の年間ベストテン入りしており、先立って上映された東野圭吾の「天空の蜂」や伊坂幸太郎の「グラスホッパー」にも名監督や名優が集結している。また今後も吉田修一の「怒り」を原作とする同タイトルの映画に渡辺謙と森山未来の出演が決まっており、横山秀夫の「64(ロクヨン)」も日本で上映が始まっている。
ひるがえって中国の映画界を見てみると、ここ2年ほどは「日本の推理小説」の著作権を買い取り、リメイクして中国映画を作るのがトレンドとなっている。まず先頭を切ったのは当然ながら人気作家の東野圭吾。彼の小説3作品はすでに製作段階に入っている。また大盛国際が買い取った島田荘司の「夏、19歳の肖像」は同タイトルで映画化され、他作品に先駆け7月8日に公開予定だ。この作品は著作権買い取りのトレンドの中で一番最初に一般公開される作品となる。今回同作品の映画プロデューサーである安暁芬を取材し、現在の日本語推理文学をリメイクして中国映画を撮るという現象を分析してもらった。