では、各国が人民元を受け入れ、資産として人民元を所有する動機はどこから来ているのだろう?他の国の国債の利回りと中国国債の利回りを比較するとその理由が浮かび上がって来るかもしれない。21日、日本国債の10年物の利回りがここ3カ月で初めて0%になった。これまではずっとマイナス利回りとなっていた。ドイツとフランス国債の10年物の利回りも同様だ。また、EU離脱が決まった英国の国債10年物の利回りも1%以下に落ち、米国国債の10年物の利回りも1.6-1.7%となっている。
「中央国債登記結算」の統計によると、今月21日、中国国債の10年物の利回りは2.75%。資質の良い省級地方政府が発行する地方債の利回りなら3%以上となっている。つまり、海外の機構も中国の銀行間債券市場で投資するなら、リスクなしで3%以上の利回りを確保できるのだ。
これにより、中国人民銀行が昨年から金融市場を開放する一連の措置を講じていることを説明できる。例えば、昨年7月、海外の中央銀行系の機構も、人民元資産を使って銀行間債券市場で投資を行うことを容認した。参入や額、取引する商品などに制限はない。また同年9月には、海外の中央銀行系の機構を対象に、銀行間外国為替市場の取引に参加することを認め、今年2月には、資格を満たす海外の商業銀行、保険会社、証券会社、ファンド管理会社などの金融機関が銀行間債券市場で投資を行うことを容認した。
周副司長は、「人民元高の流れは変わったが、海外で人民元資産を所有している人でも中国経済の成長の恩恵を受けられるようになった」と説明する。
海外の資産家の人民元所有意欲が右肩上がりへ
10月1日からは、人民元がIMFのSDR構成通貨になり、IMFにおいても、その189の加盟国においても、理論上、人民元を準備通貨とすることができるようになる。
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