アラブ諸国を見てみると、エネルギー価格が下落していることで、競争力を向上させるのが一層難しくなっている。同報告は、同地域の全てのエネルギー輸出国にマルチ経済の継続した発展が必要であると指摘している。その他、ルワンダは、サハラ以南のアフリカ諸国の中で順位を最も上げた国で、順位を6つ上げて52位とした。しかし、アフリカのほとんどの国が下位に沈んでおり、最下位はイエメンだった。
世界的に見ると、今年際立っていたのは、過去10年、各エコノミーの開放の程度が後退しており、それが直接世界の成長や改革に影響を与えている点だ。同報告の統計によると、過去10年の後退傾向がさまざまな所得水準の国に影響を与えている。その主な原因は、非関税障壁の増加だ。世界経済フォーラムの創始者であるクラウス・シュワブ会長は「世界経済開放の程度が後退し、競争力にも悪影響が出ており、指導者は、持続可能で包容性ある成長を促進するのが難しくなっている」と指摘している。
同報告はさらに、問題として、「先進エコノミーにおいて、量的緩和やその他の貨幣政策は、なぜ十分に長期にわたって増大していないのか」と問題提起し、「競争力指数で高得点となっているエコノミーと比べると、得点の低いエコノミーが講じている干渉対策は同様の効果が上がっていない。つまり、貨幣の刺激対策が効果を上げることが、競争力を向上させるうえで、重要な条件となっているということ」と分析している。
その他、同報告は、初期の発展段階にある国が優先事項をどのように調整すべきかを深く分析している。インフラや医療・衛生、教育、市場の正常な運営などが競争力を決める基本的な要素の中でも重要な位置を占めているものの、世界の競争力指数を見ると、技術の成熟度や商業の成熟度、イノベーションなどの分野におけるパフォーマンスも、競争力や成長率を向上させるために重要な要素となってきている。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年9月30日
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