「メトホルミン」は糖尿病患者の間でよく知られている、世界的な「スター」級糖尿病治療薬だ。しかし血糖値を引き下げるそのメカニズムについては、科学界の謎とされてきた。新華社が伝えた。
厦門大学の林聖彩教授のチームは研究を通じて、この薬の作用のメカニズムを解明し、科学界で謎とされてきた問題を解決した。同研究成果である「メトホルミンがリソソームルートを介しAMP活性化プロテインキナーゼ『AMPK』を刺激」は11日、世界的に有名なセル誌の関連誌に掲載された。
メトホルミンは1920年代に欧州で生まれた約100年の歴史を持つ古い薬だ。メトホルミンは誕生以来、臨床上の優れた効果により糖尿病の切り札的治療薬になった。しかし人々はこの約100年間、メトホルミンが血糖値を引き下げることのみを知り、その作用のメカニズムについては解明していなかった。科学界でもこれまで時おり報告されていたが、科学的に有力な証拠はなかった。
林教授のチームは長期的に細胞信号の伝導に関する研究を行ってきた。彼らは最近の研究で、メトホルミンが血糖値を引き下げるメカニズムの信号ルートを発見した。それはなんと林教授が長年研究してきた「古い友人」とも言えるAMPK信号ルートだったのだ。
この研究は2型糖尿病や脂肪肝、心血管疾患、がんなどの治療薬の開発に、新たな標的と方針をもたらすとされている。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年10月13日
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