中国国際経済交流センターの張暁強常務副理事長(執行局代表)も、「ここ数年、日本の投資額は過去数年間の歴史的ピーク時に比べて減ってはいる。ピーク時には100億ドルに達し、ここ数年は少ない年で20億ドルにとどまるが、相殺すると、個人的に把握した状況では、資金の純流出はみられない。外資系企業の直接投資のストックを累計すれば、香港地区を除くと、日本が現在、米国を抜いて1位で、金額は1千億ドルを超える」と指摘した。
野本代表は仕事で在中国日本企業と接触する機会が多く、一部のIT企業や製造業企業に聞いたところでは、「日本企業の大部分の製品と技術はすでに中国企業に追いつかれており、一部の分野では、中国企業の技術がすでに日本企業を追い抜いているという。そこで今、日本企業はこれまで競争力が高くなかった分野で他社と競争せざるを得なくなっている」のだという。
▽日本メディアが悲観的ムードをまき散らしている
ここ2~3年ほど、日本メディアは日本企業が中国で経営難に陥っているとか、中国の投資吸引力が低下したとかいう報道をたびたび行ってきた。野本代表は、「日本の新聞業界は大手4~5社に独占されており、読者はこの主要4~5紙を読むしかないが、どの新聞も中国経済に対する論調は非常に消極的なものだ。各紙とも中国経済は不安定だとする今後の見通しを示し、バブルがいつ崩壊するかとか、生活コストの上昇とかいったことばかり報じる。日本の対中投資の減少は日本メディアの中国経済に対する非常に消極的な見方と関係があり、一連の中小企業の対中投資を行うか、対中投資を増やすかの決定に影響している」との見方を示す。
だが実際の状況をみると、日本企業は中国に長くとどまりたいという気持ちが非常に強い。日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた15年の調査データでは、在中国日本企業の今後1~2年間の事業発展の方向性について、「拡大する」と答えた企業が38.1%、「現状維持」が51.3%で、「中国から撤退する」および「第3国に移転する」とした企業は1.7%に過ぎなかった。
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