欧州委員会は改定案の提案を可決し、「非市場経済国」と「市場経済国」という分類をやめ、「国別に中立をはかる」やり方を採用し、国内での価格やコストに「市場を歪曲するような状況」があるかどうかの調査に重点を置くとした。その「状況」とは、具体的に政府による干渉の有無などを指す。ある国の輸出製品価格に「市場を歪曲するような状況」があると認定されれば、「輸出国と同様の経済発展水準にある適切な代表的国家」のデータを当該国の国内価格に置き換え、ダンピング幅を計算するという。
欧州委員会は「市場を歪曲する」と認定する一連の要因を列挙し、これには関連市場が国有企業や国が株式を保有する企業によって極めて大規模に構成されているかどうか、国が「価格またはコストに関与した」状況があるかどうか、こうした状況によって国内の生産者が海外の同業者に比べて不公平な優位性をもつようになる政策があるかどうかなどが含まれる。
欧州委員会のマルムストローム委員(貿易担当)は、「このようにして計算された反ダンピング関税は現在の水準にほぼ沿ったものになり、EUがWTO議定書第15条の規定で承諾した義務を履行することを可能にすると同時に、EU自身の貿易救済能力を確保することにもつながる」と話す。
この他にもEUの多くの業界関係者は中国製造業と直接的な競争関係にあるため、中国に市場経済国の地位を与えることに反対するだけでなく、いわゆる「レッサー・デューティー・ルール」の改訂を主張し、またこのルールによりEUの徴収する輸入関税は他の地域よりも明らかに低いと主張する。
当面のレッサー・デューティー・ルールに基づき、EUはダンピング行為によって生じた損失を評価する際に2種類の規準を採用する。ドイツのシンクタンクMERICSの欧州対中国政策部門の責任者ヤスパースさんによると、「EUはダンピング幅とダンピング行為によって生じた損失の程度を評価する際、程度の低い方を徴税の根拠にする」という。
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