日本製造業がB2C(企業・消費者間取引)市場を徐々に縮小し、B2B市場(企業間取引)市場に注目するようになるにつれて、ますます多くの企業が「見えない大手」に向かって発展を遂げるようになった。典型的な企業が京セラだ。京セラが製造する携帯電話は特に評判が高いわけではないが、温度センサー(サーミスタ)内蔵型の水晶デバイスや水晶振動子、イメージセンサー用セラミックパッケージなどの携帯電話部品では市場シェアが世界トップだ。
もちろん、日本製造業に問題がないわけではない。日本の有名研究機関のシニアウォッチャーが述べたところによると、「過去数年間にファイナンス・テクノロジー(フィンテック)が大いに流行した時、中国は日本よりも早くしっかりと取り組み、多くの点で先んじた。振り返れば、支付宝(アリペイ)や微信(WeChat)などは中国の技術ではないが、中国市場に適合させたのは中国企業だ。日本企業は技術はあるが、ビジネスモデルが今ひとつで、たくさんの優れた技術がその価値を発揮できずにいる。日本製造業も同じ問題を抱えており、研究開発の重点は自国消費者のニーズと自国消費者へのサービスに置かれており、国際市場のニーズとトレンドを軽視しているきらいがあり、その結果、コストが高止まりし、国際競争力が弱まる。たとえば日本の携帯電話はかつて最先端だったが、日本人だけが求める、日本以外ではニーズのない一連の機能を提供するため、コストが割高になり、国際市場では、特に発展途上国の市場では、競争力をもつことが難しくなる。これもビジネスモデルの問題といえる。日本製造業の市場リサーチは不十分で、市場ニーズに対してもある種の鈍感さを抱えているといえる」という。
みずほ総合研究所市場調査部の長谷川克之部長は、「日本製造業は日本の誇りだ。日本経済はほぼすべて製造業に頼っている。日本製造業はかつて大きな成功を遂げたため、成功を守り抜こうと考えるようになり、新しい産業を発展させるべき時になっても、昔からある産業の保護に走る。その結果、一部の企業はメリットを得たとしても、高い機会コストを支払うことになる。さらに製造業が他の新興産業の発展を制約することになる。日本にとっては、規制緩和、労働力市場の流動性拡大、革新(イノベーション)が順調に発展できる経済・教育・社会体制の構築といったことが非常に重要であり、差し迫った課題でもある。また日本が早急に解決しなければならない課題の一つは産業の多様性であり、サービス業と情報技術(IT)産業の発展を加速させなければならない」と述べる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年12月28日
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