総合化学メーカーであり炭素繊維複合材料で世界最大のシェアを誇る日本の東レ株式会社は28日に東京で記者会見を開き、子会社の東レハイブリッドコード(東レHC)が製品の強度に関するデータを改ざんしていたことを認めた。23日に三菱マテリアル株式会社でデータ改ざんが発覚したのに続き、日本の製造業にとって今月2件目のデータ改ざんの不祥事となった。新華社が伝えた。(文:劉秀玲)
▽公表するつもりなかった
東レは1926年に創業した、日本の大手化学製品メーカーで、繊維や樹脂などの化学製品の製造加工を主業務とし、炭素繊維複合材料、情報通信材料の製造分野では世界トップだ。中国、タイ、マレーシアなどに子会社があり、従業員は世界全体で4万6千人を超える。
東レHCは産業資材用繊維の製造加工を主業務とする。東レの日覚昭広社長が28日の記者会見で説明したところによると、2008年4月から2016年7月にかけて、東レHCは累計149回のデータ改ざんを行い、問題ある製品を顧客13社に納入していた。内部調査の結果、東レHCは顧客の要求する仕様を満たすため、製品検査の段階で自動車用タイヤのカーカスに使用される繊維製品・ポリエステルコードの強度データを改ざんした。カーカスはタイヤのゴムを保護し、走行時の張力のバランスを取る役割を果たし、高い強度が要求されるという。
日覚社長によると、すでに昨年7月、東レHCはデータ改ざんの事実を把握していたが、今になって公表したのは、今月初め頃から、インターネットに(東レのデータ改ざんに関する)噂が流れるようになったためだ。会社としては、噂が広がるより事実を公表した方がよいと判断した。情報の整理や顧客への事情説明などに時間がかかったため、このタイミングで公表することにしたという。
日覚社長と東レHCの鈴木信博社長は同日の記者会見でそろって謝罪した。だが日覚社長は、データ改ざんは「法令違反ではない」との見方を示し、神戸製鋼所の不祥事が発覚しなければ、公表するつもりはなかったことをうかがわせた。
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