まだ中国語対応していない「旅かえる」が中国で大ヒットしていることは意外なことであるものの、一人暮らしの若者という角度から見ると、決して不思議なことではない。
「旅かえる」に登場するカエルは、話をすることもなければ、ユーザーがその行動を操作することもできず、おべんとうやどうぐを持って、好きな時に旅にでかけ、時々旅先からポストカードを送ってくれ、好きな時に帰ってくる。完全無料のアプリで、それに時間や精力はほとんど費やさなくてよい。そう聞くだけでは、「何が面白いのか?」と疑問に感じるかもしれないが、多くの若者はカエルの生活に自分の生活を重ね、「カエルは自分の世話が必要」と感じさせるため、ユーザーの心を捉えている。一人暮らしの若者らは、自分の「愛」をカエルに注ぎ、「いつ家に帰って来るのだろう?」、「ポストカードは届いていないかな?」と、母親になったような気持ちを楽しんでいる。
「孤独」な若者に目を付けた機能やサービスが続々登場
斬新なコンテンツの登場だけでなく、「お供経済」はSNSの発展をも促進している。また、一人暮らしの若者の「インドア派」という特徴もSNSの発展の余地を大きくしている。動画や音声、VR(バーチャルリアリティ)技術など、一人暮らしの若者の交流を刺激するために、関連の機能が大活躍している。
音声関連の機能では、完成済みの音楽などを配信できるほか、リアルタイムで音声を配信することもでき、音声チャットができるようになっている。中国の「荔枝FM」の音声チャットルームでは、ユーザーはパーソナリティと音声でやりとりができるほか、その他のユーザーとテキストチャットをすることもできる。
海外でも、動画チャットの人気が高まりつつある。グループ動画に注目し、オンラインライフスペースを作り、学校や会社などのチームが時間の合間に動画通話できるようにしているSNSプラットフォームもある。実際にあるチームのメンバー同士の動画通話であるため、1対1の電話よりもハードルが低くなり、一人暮らしの人に交流の機会を提供することにもつながっている。
VR技術の登場により、時空や次元という垣根がなくなり、二次元の世界で友達を探すことができるようになっている。
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