バラエティーに富む機能やサービスが続々と登場しているが、本当に若者は「孤独感」を解消することができているのだろうか?実際には、社会現象を巻き起こすような機能やサービスが登場しているものの、大都市に住む一人暮らしの若者の寂しい思いは決して解決されていない。
社会から仲間外れにされる若者たち
現代社会において、人々のつながりは、血縁関係や恋愛関係ではなく、経済的影響力を中心とするようになっており、人と人、人と社会の関係が疎遠になっている。社会の「勝ち組」と仲良くできていない人は社会の脇に追いやられ、孤独になり取り残されてしまっている。
一人暮らしの若者は、そのような社会の直接的な産物だ。各種共同体から離脱し、一人で生きており、他の人とのつながりはどんどん希薄になっている。技術の進歩により、交流の機会は増え、一人暮らしの若者は自由でオープンに見えるかもしれないが、グループという観点から見れば、それらの若者は仲間外れにされてしまった孤独な人たちだ。
社会学者のジグムント・バウマン氏は著書「廃棄された生」で、「『過剰』が現代化の最大の特徴。その結果『余る人』が出てくる」と指摘している。
現代社会の普遍的なルールにおいて、全ての人は自分の「交換価値」を証明しなければならない。まだ十分な資本がない若者が即座に自分の価値を証明できないとなると、「余り」というレッテルを貼られてしまう。そうなると、若者らは自分の居場所がなくなり、いら立ちを感じるようになり、一人暮らしの若者らは深刻な「孤独感」に悩まされることになる。
「旅かえる」も、一人暮らしの若者の現状を映し出していると言えるのではないだろうか?「旅かえる」のカエルは、自分の部屋で一人で本を読んだり、何かを書いたり、一人で旅に出かけたりする。多くの若者はその姿に自分を重ね、カエルの世話をすることで、「このカエルだけが自分を必要としてくれている」と感じ、自分の価値を見つけ出しているといえる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年1月31日
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