中国国際ECセンター(CIECC)国内貿易情報センターと京東戦略研究院がこのほど発表した「2017年高齢者オンライン消費発展報告」によると、社会保障水準の向上と高齢者自身の資産の蓄積により、中国の高齢者の消費観念が徐々に変化しており、オンライン消費において高齢者が巨大な潜在力を備えるようになった。同報告によれば、17年上半期に京東プラットフォームでは高齢者クラスターのオンライン消費額が急速に増加し、前年同期比78.0%増加した。高齢者向け商品の売上高も同61.8%増加し、プラットフォーム全体の売上高増加率を上回った。「経済日報」が伝えた。
国内貿易情報センターの斉■(吉へんに吉)アナリストは、「高齢のユーザーの消費スタイルがますます多様化しつつあり、オンライン消費におけるこのクラスターの動きが突出している。京東のデータをみると、高齢ユーザーの6割以上が京東の顧客端末や微信(WeChat)などのモバイル端末を経由してネットショッピングをしており、京東顧客端末の売上高はパソコン端末を大きく上回った。それだけでなく、17年に微信を利用して買い物をした高齢ユーザークラスターの人数は15年に比べて5倍近く増加した」と述べた。
13年から17年の間に、最終消費支出の年平均寄与度が56.2%になり、消費は中国の経済成長を牽引する主要原動力になった。こうした背景の下、高齢者のオンライン消費が急速に伸びて、中国高齢消費クラスターの新しいさまざまな特徴を映し出すようになった。
斉アナリストの説明によると、「消費スタイルがより多様化しただけでなく、買うことと使うことが分離している、心身の健康により注意を払う、若年化やファッション化の流れが明らかなどの特徴が表れている。買うことと使うことが分離しているというのは、消費に購入者と利用者が別々であるという明確な特徴がみられることをいい、若い人が両親や年長の友人のために商品やサービスを買うこともあれば、高齢者が子や孫のために消費するということもある。たとえば17年第1~3四半期には、高齢者が購入する児童書が書籍類全体の売上に占める割合が15年の1%未満から17%に増加した。また医薬保健用品は消費者が最も注目する高齢者向け商品で、高齢者の消費マインドが若年化、ファッション化する中、こうした商品は高齢者の心身をサポートするという明確な特徴を備えている」という。
だが中国企業は高齢者の消費を満足させるという点で、とりわけ高齢者のオンライン消費市場のニーズに応えるという点で、まだ足りないところがたくさんある。たとえば高齢者のニーズに合致した商品には限りがあり、種類が少なく、科学技術のウェイトが低く、高齢者の消費ニーズを冷え込ませている。16年末には、北京市高齢者向け用品展示センターがオープンして営業をスタートし、12分野の高齢者向け商品3千点あまりが展示されたが、日本で開発され販売されている高齢者向け商品が4万点を超えていることと比べると大きな開きがある。また中国には流通の効率の低さが高齢者の消費ニーズを押さえ込んでいるという問題もある。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年2月1日
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