中国ではダブル11(11月11日のネット通販イベント)が大盛り上がりとなり、各事業者はクリスマスやバレンタインデー、国際女性デーなど、女性が注目するイベントに焦点を合わせ、バラエティに富んだ販売促進キャンペーンを展開している。「女性の心を掴めるかが成功の秘訣」と考えている事業者も多いという。工人日報が報じた。
国泰君安証券の報告によると、約75%の家庭で女性が家計を管理しており、女性による消費の経済成長に対する寄与率は66.4%に達している。また、2014年、中国大陸部のウーマノミクス市場は約2兆5000億元(約42兆5000億円)規模に達し、19年には4兆5000億元(約76兆5000億円)にまで拡大すると予想されている。どんどん強大になっていく「ウーマノミクス」は、消費分野の業界の注目の的となっている。
女性にターゲット絞ったマーケティング
毎年、3月8日の国際女性デーの時期になると、「自分のご褒美に」という名目で多くの女性が自分の欲しい物を買う。
重慶大渡口区にある女性服店の責任者・劉さんは、「男性より女性のほうがお金を使ってくれる。以前は男性服を売っていたが、なかなか儲けを出すことができなかったため、ここ数年は女性服を売るようになった。商売はなかなかうまくいっているよ」と話す。劉さんによると、女性に店に入ってもらうことができれば、その6割ほどが商品を購入してくれ、イベントがある時はその確率がさらに上がるという。
女性用品店を経営している羅凌さんによると、今年の国際女性デーの時期には、マニキュアやパック、口紅などの売上が普段の4-5倍になり、人気のスカーフに至っては品切れになったという。そのため、中国版バレンタインと呼ばれる七夕節(旧暦の七夕、今年は8月17日)の時期には、人気商品を多めに仕入れておくほか、販売促進キャンペーンも企画するという。
女性を呼び込めば男性も付いてくる
山東大学経済学院の李鉄崗・副院長は、「経済学でいう消費行為スタイルに基づくと、誘導されて商品を購入する確率は、男性より女性のほうが高い。事業者が実施する各種割引なども誘導性のマーケティングだ。現代の女性は家庭においてより大きな発言権を持つようになっており、女性にターゲットをしぼったマーケティングは、直接女性の消費につながるだけでなく、間接的には男性の消費にもつながる。なぜなら、男性が女性のために商品を購入するからだ」と分析する。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn