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日本のボランティア、私財を投じてまで中国の砂漠で植樹続けるのはなぜ? (2)

人民網日本語版 2018年08月14日10:12

このほど遠山さんが暮らし、働いていた鳥取県に取材に訪れた。

取材に応じた鳥取市企画推進部文化交流課の山田雅一課長によると、「日本砂漠緑化実践協会は毎年、全国各地のボランティアがクブチ砂漠に行って植樹することを企画している。今年の緑化活動は7、8、9月に展開される。1回6日間で、一人当たりの費用は17万8000円、全額自己負担」とその活動を紹介。

山田課長は07年に鳥取大学、鳥取環境大学、鳥取県などと共同で、「クブチ砂漠植樹活動支援会」を立ち上げ、毎年学生らがクブチ砂漠に行って植樹するよう企画し、遠山さんの精神を引き継いで、中日友好を促進している。

中国での植樹を通じて行う侵略の歴史の償い

日本砂漠緑化実践協会の石田敏光理事は、「日本は過去に中国に対して侵略戦争を起こしており、許されない戦争犯罪を犯した。遠山さんはずっとそれに心を痛め、晩年は中国での植樹を通して、侵略の歴史の償いをしたいと考えていた」と述べる。

石田理事は以前、遠山さんと共に中国に行って植樹をした経験があり、遠山さんは、忍耐強く、確実に行動する人だったというのがその印象だったといい、「遠山さんは、『砂漠緑化の理論を研究をしている人はたくさんいるが、実際に行動をしている人は非常に少ない。体力が続く限り、1本でも多くの木を植えたい』とよく話していた」という。

事実、遠山さんと中国の「縁」は1935年にまで遡ることができる。同年、中国に留学した遠山さんは、農耕文化や植物生態を研究し、36年に研究用にとクブチ砂漠の土地を購入した。しかし、日本がその後すぐに中国侵略戦争を起こしたため、遠山さんの計画はもろくも崩れてしまった。

石田理事によると、遠山さんは戦争を二度と起こしてはならず、日中友好を代々引き継いでいかなければならないと考えていた。鳥取大学で定年を迎えた遠山さんは、老後の生活全てを中国における砂漠緑化事業に捧げたという。

植樹をめぐっては、遠山さんには、樹を植える時の穴の深さや大きさ、苗と苗の距離、土のかたさなどの自分なりの科学的理論があり、ボランティアにそれを詳しく伝えて、その通りに行うよう指示していたという。他の人に細かな指示を出すだけでなく、遠山さんは自分にも厳しく、1日に10時間植樹に従事していたという。

さらに、植樹を支援するために、鳥取県の不動産を売却したり、日本のテレビ局や大学、社会団体などに中国での植樹の意義を説明して、資金集めに奔走したりしていたという。

そのような遠山さんの姿勢に感銘を受け、石田理事を含むたくさんのボランティアがその遺志を継ぎ、毎年中国に足を運んで植樹を行っている。そして、緑の木々が中日友好の証となっている。


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