中国建設銀行の大学における新入社員募集を担当する陳永波さんは、「公務員試験を受けたり、大学院に進学したりする大学卒業者が増えている。そのため、就職市場では、需要に供給が追い付かない状態が存在している。その他、多くの大学生が、3年生、4年生の時に、企業で実習を始め、卒業後もそのままそこに就職する。そのため、就職市場では人材不足が発生している」と分析する。
浙江大学中控人的資源部の責任者・王斌さんによると、「企業は、自社にとって有用な人材の争奪戦を繰り広げている。専攻学科が希望と違っていたとしても、工科系、理科系の能力が高い学生は人気となる」としている。
長年、高等教育を研究している学者・肖綱領氏は、「企業が大学で人材の争奪戦を繰り広げているということは、大学が高等教育の法則に基づいて教育を展開していることを反映しており、人材育成の供給側改革を促進する」との見方を示す。
取材では、大学卒業予定者の争奪戦が繰り広げられている分野は、チップ、人工知能、スマート装置、IT業界、新エネルギー、自動車のモノのインターネット、電子情報など戦略的新興産業に集中していることが分かった。
特殊な業界や学科で「争奪戦」が繰り広げられていることについて、肖氏は「大学は、その背後には、人材構造を調整するために短期的に人材不足が存在している可能性があることに留意し、教育への姿勢を一層引き締めて、専門分野以外の知識も持つ、特徴ある複合型人材を育成するようにしなければならない」と注意を呼び掛けている。
そして、「世界一流大学・一流学科を構築し、『分類発展』を目指す理念が打ち出されているのを背景に、高等教育は、横一列の発展スタイルから、特色ある教育、分類した評価への転換が大勢となっている。大学は、教育理念を明確にし、その方向性をきっちりと定め、それに基づいて人材育成を実施しなければならない」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年10月25日
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