現在、中国の二線都市と三線都市の一部が人材争奪戦を熱く展開している。お隣の日本でも、東京圏以外の地方都市では何年にもわたって人口争奪戦が繰り広げられている。安倍晋三首相は再び政権を取ると、2014年に「地方創生担当大臣」を設置し、地方都市が人口を誘致し、地方経済の活性化を目標に掲げた。「環球」雑誌が伝えた。
▽人口争奪戦の効果はごくわずか
ここ数年来、日本の地方都市はそれぞれの特色に合わせて、さまざまな移住政策を持続的に打ち出してきた。無料で住まいを提供するところもあれば、育児支援をアピールするところもある。
眼鏡の生産で有名な福井県鯖江市は15年に「ゆるい移住」プロジェクトを打ち出した。福井県民以外の20~35歳の若い人を対象に、15年10月から16年3月までおよそ半年間にわたって行われた。目的やスタイルを限定しない、自由で開放的な体験移住プロジェクトで、最大半年間は家賃を無料にするとした。プロジェクト期間中、毎月1回研究会が行われ、現地の企業や各種団体と交流した。交流会では移住体験者が短期間の就職やパートを申し込むこともできた。
千葉県流山市は人口の流入を促進するため、「子育ての街」のイメージ作りを進めている。14年には共働き世帯向けの育児支援を打ち出し、代表的なものは電車の駅前のビルに設置された「送迎保育ステーション」で、市内の保育所に通う乳幼児をここで預かり、バスでそれぞれの保育所に送迎するというサービスだ。
このサービスの月あたり利用料はわずか2千円で、1回だけの利用なら100円だ。これまでに毎月平均100人がこのサービスを利用した。会社勤めの母親は、「自分の2人の子は別々の保育所に通っているので、このサービスができて本当に助かった。送迎保育ステーションは駅の近くにあるので、出勤にも非常に便利」と話す。
佐賀県佐賀市は15年に特急列車などを利用する場合の通勤定期券の購入費の一部を補助すると打ち出した。同市は新たに就労した人、本人か配偶者が40歳未満の転入者を対象に、一月あたり上限1万5千円の補助を最大3年間支給するとした。
ほかの地方都市も人口誘致のためのさまざまな政策を相次いで打ち出す。たとえば徳島県は先端企業の誘致、第3子は保育料無料、高齢者の移住拠点設置などの措置で人口誘致をはかる。山梨県は27年に開通予定のリニア中央新幹線に希望を託す。こうした政策が打ち出され、地方都市で一定の成果を上げたところはあるが、多くの都市はごくわずかな成果を上げたにとどまる。人口が東京圏を代表とする大都市圏に加速的に流れ込む状況が効果的に食い止められたとはいえない。
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