ここ数年、中国の映画市場は急成長している。昨年、「戦狼2(ウルフ・オブ・ウォー2)」が興行収入56億元(1元は約16.32円)を記録し、今年は「戦狼2」ほど大ヒットの映画はまだないものの、興行収入を全体的に見ると、既に昨年を上回っている。今月25日午後の時点で、今年の中国の映画興行収入は合わせて559億1200万元と、昨年の年間559億1100万元をすでに上回り、中国映画史上における最高記録を塗り替えた。また今年の目標600億元達成も間近となっている。中国放送網が報じた。
2018年の年間興行収入600億元突破達成の可能性大
「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」や「ヴェノム」といった作品が大ヒットしているのを背景に、中国の映画興行収入が過去最高を記録した。25日午後の時点で、全国の映画興行収入が559億1200万元に達し、昨年の年間興行収入をすでに上回っている。中国文芸評論家協会の尹鴻・副会長は、「今年は年間興行収入が600億元を超える可能性がある。最近封切られているのは、洋画が多い。また、お正月映画も、過去ほど盛り上がっていない。それは、大ヒットしそうな映画の多くが春節(旧正月)に合わせて公開されるから。そのため、最近は、ドキュメンタリー映画、コストが中、小規模の映画、例えば最近封切られた『無名之輩』のような映画が多い。こうした作品は市場に対して大きな影響力はないものの、質という点では新たなブレイクスルーがあるだろう」との見方を示す。
今年は勝ち負けがはっきり
今年、中国映画は、勝ち負けがはっきりしていた。例えば、姜文(ジャン・ウェン)監督の「邪不圧正(Hidden Man)」、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の「影(Shadow)」などの大作は興行収入が伸びなかったのに対して、俳優の徐崢(シュー・ジェン)が主演の「我不是薬神(Dying to Survive)」、俳優の陳建斌(チェン・ジェンビン)が主演の「無名之輩」など、期待がそれほど高くなかった低コストの作品が大ヒットした。
それだけにとどまらず、中国国産映画は今年、洋画よりもその興行収入を伸ばした。現時点で、興行収入ランキングトップ10のうち、6作品が中国国産映画で、第1位は興行収入36億5000万元の「紅海行動(OPERATION RED SEA))」。一方、洋画トップは興行収入23億9000万元の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で、総ランキングで第5位だった。
尹副会長は、「その主な原因は2つある。1つは、洋画は今年不作であったことで、『トランスフォーマー』や『ワイルド・スピード』のように市場に特別大きな影響を与える作品がなかった。もう一つは中国の三線以下の都市では、洋画があまりヒットしない点。それも中国国産映画が市場を拡大する絶好のチャンスとなっている」と分析する。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年11月28日
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