6. 確認過眼神(一目見て分かった)
「確認過眼神」というのは、もともと「目を見て確認する」という意味で、人気歌手の林俊傑(リン・ジュンジエ)の歌「醉赤壁」の歌詞「僕は眼差しで、運命の君と巡り合ったことを知った」からきている。しかし、今年ネットで流行語となった「確認過眼神」は単に「確認済み」や「チェック済み」という意味で、「眼差し」とは関係がない場合が多い。今年の春節(旧正月、今年は2月15日)にあるネットユーザーが微博に、「一目見てあなたが広東の人だと分かった」と書き込み、広東省の人のお年玉の金額の少なさを突っ込んだ。そこからこの「確認過眼神」がたちまち人気となり、ネットではこの言葉を使った「作文コンクール」まで行われたほど。コンクールには「一目見てあなたが蚊に刺されやすい人だと分かった」や「一目見て欲しかったカバンだと分かった」といった「秀作」が次々登場した。「一目見て分かった」という言葉の流行には、玉石混交、時には偽の情報まで入り混じった大量の情報にあふれる現代において、人々が確認された情報を得たいという心理を反映している。
7. 退群(グループ退会)
ここでいう「グループ」とは、微信(WeChat)やQQなどのSNSで作成されるグループチャットを指す。そして「退会」とはすなわちその「グループ」から抜けること。しかし、今年はその意味や使用範囲が広がり、もっと大きな「グループ」から抜ける場合にも「退群」が使われるようになっている。例えば、トランプ大統領就任後、米国が「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」や「パリ協定」、「イランの核問題に関する包括的共同作業計画(JCPOA)」、「万国郵便連合(UPU)」、「国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)」などから「退会」している。さらにトランプ大統領は、「世界貿易機関(WTO)」から「退会」する可能性もあると発言している。それらを背景に「グループ退会」がニュースや報道でしばしば使われる流行語となった。
8.仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)
「仏系」は、14年に日本のあるファッション誌が紹介した新たな男子シリーズ「仏男子」に由来している。「仏男子」とは恋愛を楽しむことよりも、自分ひとりの時間を大切にしたいと考える傾向が強い男性のこと。17年12月、あるブログに「90後(1990年代生まれ)の第一陣が既に仏門に入った」と題する文章が投稿され、現代の若者の「仏系ライフスタイル」が紹介された。「仏系」とは、「争いごとを好まず、勝ち負けを気にせず、損得を計算しないなど、物事にこだわりがなく、全てのことに淡泊で、どんな環境・境遇にも安んじる」ライフスタイルのことを指す。そこからネット上で「仏系」という言葉が瞬く間に話題となり、「仏系青年」、「仏系恋愛」、「仏系養生」、「仏系魚飼い」などの言葉も次々生まれた。
9. 巨嬰(巨大児)
「巨嬰(巨大児)」はもともと体の大きな赤ちゃんを指す言葉。しかし、ここ数年は精神年齢が赤ちゃんで止まっているような大人のことを「巨大児」と呼ぶようになってきている。こうした「巨大児」たちは、自己中心的で、ルールを守る意識に欠け、モラルもない。そして、予想外のことが起きると、感情をコントロールできなくなり、過激で非理性的な行動に出て、社会に「災難」をもたらす。今年は、高速鉄道で他人の席に座り、かたくなに席を替えることを拒んだ男性や女性が話題になったほか、重慶では停留所を乗り過ごした女性客が運転手とケンカになったことが原因でバスが川に転落する事故などが起きたため、「巨大児」という言葉に対する注目度がさらに過熱した。こうした「巨大児」現象は現在、社会問題になりつつある。
10. 杠精(へそ曲がり)
「杠」は「揚げ足取り」を意味し、「精」は「精霊、妖怪」を意味する。それを合わせた「杠精」は、「揚げ足を取って屁理屈を言う人」という意味。このようなへそ曲がりな人にとって、「真相」や「是非」はどうでもよく、反対したいがゆえに反論し、争いたいがゆえに論争する。 「杠精」という言葉の流行は、人々がそのような行為に反感を抱いていることを反映している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年12月4日
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