《ドラえもん》の中でのキャラクター「小池さん」のモデル·鈴木伸一氏が世代を継ぐ中日友好に期待 (2)

 2019年08月01日10:28

写真説明:トキワ荘時代の古い写真

写真説明:トキワ荘で一緒に暮した漫画家

トキワ荘に暮して9ヶ月したころ、横山隆一氏のおとぎプロに入社し、アニメーターとして歩み始めた。しかし、会社では童話アニメの制作が多く、氏はSFなどのアニメが作りたかったのでおとぎプロを退職する。

30歳のとき、藤本弘(藤子·F·不二雄)、安孫子素雄、石ノ森章太郎、つのだじろうなどと「スタジオゼロ」を創立し、1代目、2代目の社長を務めた。同年、手塚治虫から『鉄腕アトム』第34話ミドロが沼の巻を受注したものの、「漫画家がそれぞれ自分の風格で創作してしまったため、アトムがさまざまな様子になってしまい、手塚先生のお気に召さなかったんです」と笑った。その後、スタジオでは『けもの太郎』、『佐武と市捕物控』などの作品を制作したが、経営問題のため1970年4月に解散。鈴木氏は縮小した人員で引き継ぐ事にした。

その後は監督としてアニメを制作する一方、東京芸術大学の特別講師を務めて、編集した教材を中国語に翻訳したりした。

中日漫画·アニメの交流に貢献

鈴木氏は子供の頃に万籟鳴兄弟の『鉄扇の王女』を見、その水墨アニメの手法を自分の作品に取り込んだ。中国改革開放の1980年、日本アニメーション協会の中嶋興が中国への文化交流団を組織。鈴木氏は手塚治虫と共に日本アニメ産業の代表として、中国に行った。その際、上海美術映画製作所も訪問して、『鉄扇の王女』の作者の万籟鳴兄弟と念願の会見を果たした。 1981年、手塚治虫は日本の東京·池袋で「中国アニメ映画祭」を開き、上海美術映画製作所の厳定憲や特偉などのアニメの巨匠を日本に招いて、交流を行った。これが縁となり、鈴木氏もこれらの師匠と深い友情を結ぶ。このアニメ映画祭には多くの観客が詰めかけ、鑑賞した人々は中国アニメの質の高さに驚いたという。

写真説明:2019国際少年児童アニメ漫画展の賞状にサインする鈴木氏

このほど、「2019国際少年児童アニメ漫画展」が日本の東京で行われ、鈴木氏も審査委員として作品の審査に参与した。これに関して、「今回の作品は子供らしいものが多く、純粋で、天真爛漫な気持ちが現れていて、心がほっとなります。作品の多くが中日友好の要素を取り入れていて、いっそう温かさを感じました。中日両国の友好が世代から世代へ伝わるように祈っています」と語った。審査の後には50枚の賞状に一枚一枚サインをしなければならなかった。86歳ということで疲れなかったかどうか尋ねたところ、「中日友好、子供のためなので喜んで書きました」と答えた。

中国アニメへの期待

中国のアニメで最も好きな作品を尋ねたところ、『ナーザの大暴れ(中国の題名:哪吒閙海)』で、その理由はコンテンツが面白くて質もいいし、日本では見たことのないものだから、と答えた。

写真説明:東方網ネットの読者のために自画像を書く鈴木氏

関係者によると、中国のアニメ生産量はすでに日本の3倍となっている。しかし日本市場に入った作品と言えばほとんどないのが現状だ。鈴木氏は「中国アニメはもっと自由に創作でき、娯楽性が高まれば、きっと日本を超えると思います。私はこの4年間、東京芸術大学でアニメを教えましたが、学生の中に二人、中国人がいます。彼らが作るアニメの質はとても高い。中国のアニメは技術的にはもう一定の程度のレベルに達しています。だからコンテンツについて、中国らしくて日本にないものを作るとか、キャラクターにより個性を持たせたら、日本人ファンの目を引くようになる可能性があります。今後、中国のアニメが日本市場に入ってくることを心から期待しています」と述べた。(曹 俊 写真も)

東方網日本語版 2019年8月1日

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