多くの新聞紙面に結婚相手募集広告や結婚紹介所が登場し始めた当時は、折しも中国の改革開放が重要なターニングポイントを迎えた時期だった。改革開放が人々の家庭や生活にもたらした重大な変化は、「人々が、結婚というプライベートな問題に対してオープンに関心を抱けるようになった」ことだった。昔ながらの仲人による紹介は当時すでに数的に膨れ上がった独身者のニーズを満たしきれなくなっていた。新聞・雑誌の結婚相手募集広告や結婚紹介所の登場は、まさに時代のニーズによるものだったと言えよう。
改革開放がさらに深化するにつれて、現代的なライフスタイルはより多様化し、情報技術の発展もより多くのニューメディアを生み出した。テレビのお見合い番組から婚活サイト、婚活アプリといったこれらの「新たな仲人」を通じて、さまざまな地域やさまざまな性格の人々の中から、結婚相手を幅広く選択できるようになり、お見合いスタイルも新たなブレイクスルーを実現し、お見合いは「新お見合い時代」に突入した。
その露出度や的中率の高さといった優位性から、テレビのお見合い番組は恋愛・結婚スタイルにおいてたちまちその頭角を現し、「非誠勿擾」や「我們約合吧」などのお見合い番組がお茶の間を占拠した。お見合い番組の司会を10年間務めてきた人気司会者の孟非氏は、「テレビのお見合い番組は、実際のお見合いと全く変わらない。お見合いの場がテレビ局のスタジオに移っただけのこと。お見合い番組が登場したことで、若者のパートナー選びに選択肢が一つ増えた」とコメントしている。
しかしテレビのお見合い番組が目に見える関係の広がりとするなら、インターネットの普及は、実際には目にすることができないネットワークだが、男女が知り合って交際に発展するプロセスにおいて、より大きな影響を及ぼしている。2003年、国内婚活サイト大手「世紀佳縁」が開設され、ネット婚活が普通の人々の目にとまるようになった。そして2004年以降には、「百合網」や「珍愛網」などのお見合いサイトが相次ぎ誕生した。
現在、ネットワークを通じて独身男女が出会うスタイルがお見合いの中で高い割合を占めている。9月19日付の「中国青年報」の報道によると、独身の若者1972人を対象とした調査の結果、その78.8%が、「婚活プラットフォームに登録したことがある」という事実が明らかになった。
〇「お見合いコーナー」はいずれ無くなってしまう?
現在、若者の結婚式のスタイルは、選択範囲がどんどん拡大している。リゾートウエディングや合同結婚式、電子結婚証明書など、結婚式の儀式としての感覚はますます個性やシンプルさを追求する若者が増えてきており、その流動性や自由さはより高まっている。
2018年9月28日、支付宝(アリペイ)と提携して開発したミニプログラム「江蘇政務」(2.0バージョン)において、全国に先駆けリリースされた電子版結婚証明書(写真は人民網公式微博から)。
恋愛・結婚スタイルは多様化への道を進み続けており、これは人々の恋愛・結婚観の変化を反映しており、時代の発展をより鮮明に表していると言える。現在、長年の努力と積み重ねによって、中国の人々の生活は大幅に改善され、経済力も著しく高まった。人々の精神的なニーズは上昇し続け、感情的な要素がより重視されるようになり、結婚の「質」に重点が置かれるようになっている。