中国全土の人々が新型コロナウイルスとの闘いに挑んでいる期間中、医師に焦点をあてた「中国医生(The Doctors)」と警察に焦点をあてた「派出所的故事2019( Police Stories-Guardians on the Move)」のドキュメンタリー2作品が人気を集めている。これらの作品は、時にやさしく、時に厳しく、自分の責任を果たしながら、問題と向かい合い、そして時には失望させられながらも、希望を失わない医師と警察のさまざまな「顔」を、さまざまな角度から、網羅的に紹介しており、視聴者に、医療と警務が国民の生活の中で果たしている重要な役割を認識させている。視聴者は医師や警察の仕事への理解を深めると同時に、その辛さ、喜びをも深く感じることができる。そのため、同2作品は高い人気を集め、「中国医生」に登場する医師や「派出所的故事2019」に登場する警察が、ネット上で「時の人」とさえなっている。文匯報が報じた。
「中国医生」
「派出所的故事2019」
ドキュメンタリーである業界にスポットをあてたことで、その業界が人々から高く評価されるようになるといった現象はなにも今回に限ったことではない。例えば、これまでに医師にスポットをあてた 「人間世(Life Matters)」や「急診室故事(The Story In ER)」、「生命時速·緊急救護120」、職人にスポットをあてた「大国工匠」、「我在故宮修文物」、「尋找手芸」、荷担ぎ人夫にスポットをあてた「最後的棒棒(The Last Stickman of Chongqing)」なども、好評を博し、高い人気を集めてきた。
一方で、中国の様々な業界を取り上げた「お仕事ドラマ」については、その口コミは全体的に伸び悩んでいる。ではこうしたドラマも一つの職業や業界にスポットを当てているにもかかわらず、なぜドキュメンタリーのような高い評価を得ることができないのだろうか。それだけでなく、ドラマに登場する職業や業界で働く人々は「実際とは全然違う」と声を上げ、一般の視聴者もそうした職業や業界に良いイメージを抱いたり、称賛したいという気持ちになったりすることもできていない。「中国医生」や「派出所的故事2019」の高い人気は、多くの視聴者が職業や業界を取り上げた面白い中国国産の「お仕事ドラマ」を見たいと期待していることの表れとも言えるだろう。
こうした「お仕事ドラマ」の製作に大成功している欧米や日本、韓国などの国や地域をみてみると、医療や刑事、法律などの業界にスポットをあてたドラマに対する人気は衰えを見せない。
医療にスポットをあてた代表的なドラマとしては、欧米の「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」や「Dr.HOUSE 」、「The.Good.Doctor」、日韓では、「浪漫ドクターキム・サブ」や「アンナチュラル」、「ドクターX~外科医・大門未知子~」などがあり、刑事にスポットをあてた代表的なドラマとしては、「FBIアメリカ連邦警察」や「シカゴ P.D.」、「CONTROL~犯罪心理捜査~」、「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」、「現場」、「検事内伝」、「秘密の森~深い闇の向こうに~」、「警視庁捜査一課9係」などがあり、弁護士など法律業界にスポットをあてた代表的なドラマとしては、「ベター・コール・ソウル」や「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」、「殺人を無罪にする方法」、「99.9 -刑事専門弁護士-」、「ハイエナ」、「町の弁護士 チョ・ドゥルホ」などがある。