「慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー映画「二十二(TWENTY TWO)」がこのほど、微博(ウェイボー)で発表した寄付金詳細を見ると、コストを差し引いた興行収入の收益などおよそ1008万元(1元は約16.17円)が、上海師範大学教育発展基金会の「慰安婦研究・援助」プロジェクトに寄付された。郭柯監督は9日の取材に対して、「収益はすでに寄付したが、中国全土で今も存命の元慰安婦は14人で、同作品に出演した22人のうち存命しているのはわずか6人であることは本当に心が痛む」と話した。北京青年報が報じた。
上海師範大学中国慰安婦研究センターに寄付した理由について、郭監督は、「『慰安婦』について研究している蘇智良教授が同大学におり、そこに特定項目基金を設立するのが最適だ。そうすることで、慰安婦問題の研究を推進することができる」と説明。「現在、『声明』は既に出したが、提携に向けた最終調整をしているところで、共に話し合ったうえで、専門家らが基金をうまく手配して、必要なことに使ってくれるはずだ。僕は自分の本業の仕事に戻る」と話した。
借金して撮影しクラウドファンディングで公開にこぎつけた「二十二」
「二十二」は、中国侵略戦争中の旧日本軍の「慰安婦」だった中国人女性の現在に迫る長編ドキュメンタリー映画で、元「慰安婦」22人が出演している。また中国で公開が許可された初の「慰安婦ドキュメンタリー」でもある。17年8月14日に公開された同作品は、それほど期待が高かったわけではないものの、蓋を開けてみれば興行収入が1億5000万元を超え、中国国産ドキュメンタリー作品の興行収入記録を塗り替えた。
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