米国立公文書記録管理局はこのほど、中国のテレビドキュメンタリー「東京裁判」(全3話)を上映し、東京裁判判決70周年を記念した。上映会場で主催者側の代表者及び鑑賞に訪れた米国人は、本作品を鑑賞し、貴重な平和をより一層大切に思うようになり、歴史を銘記することで初めてより美しい未来を切り開くことができると述べた。人民日報が伝えた。
「東京裁判」はドキュメンタリー形式で、1946−48年に開かれた極東国際軍事裁判所で日本の第二次大戦中の主要戦犯に判決を下した過程を振り返っている。制作者は米国立公文書記録管理局から多くの映像資料を入手した。これには南京大虐殺の重要証人であるジョン・マギーやベイツらが法廷で証言する映像も含まれている。同作品は2016年12月にシンガポールで、第21回アジアテレビ大賞の「最優秀ドキュメンタリー賞」を受賞した。
制作者に協力し、米国立公文書記録管理局との連絡をとりもった公文書研究専門家によると、映像資料を複製するだけでも2週間かかったとし、「米国立公文書記録管理局が同作品の制作を支援したのは、歴史の記憶と、戦争という悲劇の再演の回避に役立つからだ」とした。
米国立公文書記録管理局公共プロジェクトの責任者は、「第二次大戦の真相を理解するためには、当時の資料に回帰しなければならない。これは同作品が担った役割でもある。我々は中国とのこうした協力をさらに拡大し、人々の歴史認識を深めるため館内の収蔵品がより多く利用されることを願う」と述べた。
極東国際軍事裁判所の梅汝璈判事の子女である梅小侃氏と梅小璈氏、向哲濬検察官の息子である向隆万氏も上映イベントの会場に駆けつけた。上海交通大学東京裁判研究センター名誉主任に就任している向氏は、「史料を調べ、中米両国が反ファシズムによって平和と正義を守るため、団結と協力を選択したことを強く感じることができた。このような精神を、次の世代、また次の世代へと伝えていきたい」と話した。
上映イベントに参加した米国の市民にとって、「東京裁判」は70年前の歴史を知るきっかけとなった。60代後半の市民は、「これまでは欧州裁判(ニュルンベルク裁判)ほど東京裁判のことを理解していなかった。本作品には多くの情報が含まれ、今後は関連書籍を読み研究したい」と述べた。
ジョージタウン大学のマイケル・マコヴスキー教授によると、多くの米国人は東京裁判の歴史を知らず、さらには南京大虐殺を知らない人も少なくないという。マコヴスキー氏には日本映画を専門的に研究している学生がいるが、多くの映画は歴史の真相を隠しているという。マコヴスキー氏は、多くの人に戦争の残酷さを知らせる本作品のような作品を選ぶべきだと述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年11月23日
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