ケリー米国務長官が日韓訪問、同盟関係強化と良好な日韓関係を希望 (2)
■米韓同盟:「保護の傘」を強化
ケリー長官のアジア歴訪の最初の訪問国は韓国だった。これが現在の朝鮮半島情勢の緊張と関係があることは確かだが、近年の米韓関係の強化という事実も見落とせない。
米国にとってアジアで法的基盤と作戦系統の最も整った同盟関係である米韓同盟は、親米の李明博政権期に「蜜月期」を経験した。まず、戦略面の一層強化だ。米国は韓国首脳との接触、韓国との合同軍事演習などを通じて、韓国に対する安保上の約束を全方位的に強化した。今月米韓は4度目の合同軍事演習を行う。米韓協力の駆動力は地政学的要因、脅威への対処から、問題解決と利益拡大へと変わった。次に、米韓は協力分野をさらに拡大し、戦略的内容を際立たせている。両国協力の触覚は旧来の朝鮮半島からFTA、東アジアの枠組みでの協力、さらには世界レベルの対テロ分野などへと伸びている。
朴槿恵政権期に米韓関係にはどのような変化が生じるだろうか?上海国際問題研究院アジア太平洋研究センターの◆克瑜副主任は「前任者と異なり、朴大統領はよりバランスの取れた大国外交策を採用し、米中などの大国との関係の均衡を図るだろう。対朝姿勢では『信頼外交』を主張している。米国は朝鮮核問題の解決、朝鮮の交渉参加には韓国を避けるわけにはいかないと一貫して考えている。こうした姿勢表明は米韓関係の緊密さをはっきりと示すもので、韓国を奮い立たせてもいる。このほど米韓は朝鮮による『挑発』の類型と相応の軍事計画を詳細に羅列した共同対応計画もまとめた。これまでと異なり、計画は韓国主導、米国の自動介入を特に強調し、これまでの『同等、同質の反撃』原則を打破している。これは米国が韓国にさらに大きな保護の傘を提供するものと見なされており、韓国内で核武装の声が上がることへの米国の懸念を反映してもいる。米国はこれによって、同盟国を安心させようとしているのだ」と指摘した。
◆氏はさらに「実は厳格に言えば、米日韓の軍事・安保協力は依然『正三角形』ではなく『二等辺三角形』の状態にある。これは日韓関係がぎくしゃくしているからだ。したがって米国は同盟国を落ち着かせると同時に、日韓間に良好な関係が築かれることも切望している。例えば昨年頓挫した日韓情報保護協定がもし締結されれば、米国は歓迎するだろう。要するに米国は同盟関係を揺るぎないものにすると同時に、アジアが争うことはあっても破局はしないようにする必要もあり、これには卓越した均衡術が必要だろう」と述べた。(編集NA)
◆は龍の下に共
「人民網日本語版」2013年4月16日