国家安全委員会の創設は中日関係にプラスの可能性 (2)
早くも1980年に、日本の大平正芳内閣は経済安全保障、農業安全保障、食糧安全保障を含む総合安全保障戦略を定めた。これと比べると、現在安倍首相の定めた「釣魚島を要とする」安全保障戦略は深刻な後退と言わざるを得ない。安倍氏は国家の安全を「軍事の安全」と同一視し、「軍事の安全」を「尖閣諸島に専念」と同一視し、力の限り「中国脅威論」を鼓吹し、中国を敵視するナショナリズムを煽り立てることで、支持率を高めようとしている。これは日本の安全のためというより、自らの政治的利益のためと言った方がいい。国家安全保障の利益の定義の誤りが国力の衰退につながるのは必至だ。
中国の国家安全委員会は中日関係のためだけに創設されるものではないが、中日関係の処理を差し迫った課題とすることは明らかだ。ここには2つの「付き合い」が存在する。1つは中国の国家安全委員会内部の、外交、国防、安全、経済、海洋、環境保護当局間の「付き合い」であり、意思疎通と調整を強化することで、中国の領土主権を断固として守るとともに、「2つの百年目標」の達成に必要な安定した周辺環境を維持するのにプラスの対日戦略・政策を定めるうえでプラスとなる。もう1つは中日両国の国家安全保障会議間の「付き合い」であり、両国間の働きかけ合いのチャンネルがもう1つ増える。中日間の島嶼争いは「腫れ物」のようなもので、両国ともにこの腫れ物を切開する度胸がない。今後日本には国家安全保障会議ができ、中国にも国家安全委員会ができる。腫れ物を切開して殺菌治療を行うことのできる時期を迎えるのかもしれない。この意味において、筆者は中国の国家安全委員会の創設は中日関係の発展にプラスの影響と効果をもたらす可能性があると考えている。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月18日